夕刻、図書館にて【土方】
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『んぇ~?あー…わかんない。もうやだ、帰りたい…!』
まだまだ厳しい残暑の中、空調設備の整った図書館に私はいた。別に涼みに来た訳ではない、人生において避けては通れないビッグイベントのための勉強をしに来たのだ。そう、私は俗に言う受験生という立場にある。
ちなみに私の志望校は妙に人気で、倍率高め。この時期にデッドオアアライブのボーダーライン周辺をうろついている私にとっては、合格という2文字は喉から手が出るほど欲しい。
『勉強やだ教科書コワイもう泣きたいィィ!!』
図書館ということを配慮して小声で呟くも事態が好転することなんてなくて、私の座る席に背後から差す西陽さえ憎たらしく感じてきた。くそ、この世から受験という文化が消え去ればいいのに!
チラと周りを見回してみるが、私の近くの机には誰もいない。広い図書館の中でも隅っこに位置し、尚且西陽がキツいこの席に座りたがる人なんていないだろう。無理もない。
そんな中、なぜ私がこの席に座っているのかというのにはきちんとした理由がある。それは…
「よ、頑張ってるか?」
『土方さんっ!』
そう、見廻りの途中で必ず寄ってくれる彼を待っているからだ。私たちの関係は非常に曖昧なもので、聞かれても答えられない。お互いの気持ちは伝え合っており、両想いなのに付き合ってはいない。その理由は土方さんが「さすがに女子高生と付き合うのはマズイだろ」と言ったから。確かにそうだと思った私は特に文句も言わず納得した。また、「志望校に合格したら付き合おう」とも言われた。でもよく考えたら、女子大生も問題じゃないの?いいのかな。
「歴史やってんのか、暗記モンだな。覚えてるか?」
『それが全然……あ、そうだ土方さんが教科書読んでくださいよ!そしたら忘れない気がします』
「バカ言うな、教科書なんて読んだら今夜悪夢にうなされるわ!」
『何ですかそれ~!私には勉強しろーっていつも言うくせに…』
ぶぅと不貞腐れ、小さくなった消しゴムを指先でコロコロいじっていると、机を挟んで正面に立っていた土方さんが私の隣に移動してきた。彼の行動の意図がわからなくて、じいっと見つめていると土方さんはニヤリと笑った。
「女子大生って……何かそそられるだろ?響きが」
『えっろ!アンタはオヤジか!』
まさかのエロ発言にとても驚いた私は、椅子から落ちそうになった。大きな音を出すわけにもいかないので必死に体勢を立て直し、話を変えることにした。
『そういえば、何でここなんですか?』
「何がだ」
『いや、待ち合わせ場所がですよ。一番隅っこの席って、西陽がキツいんです』
ホラ、と窓を指差したのに何の反応もしてくれないので『聞いてます?』と振り返れば、目の前に土方さんがいた。
『ちょ、近…!』
「この席だと、人目につかねェからよ…」
かがんだ土方さんは椅子に座った私の頬に右手を添えて、そのまま唇を重ねてきた。
「こーゆーこと、出来るだろ?」
土方さんはまたニヤリと笑った。私の顔はきっと真っ赤だろう、全身の熱が顔に集中しているような気がした。
「秘密の関係ってのも悪くねェけどよ、やっぱおおっぴらにしたいだろ」
『が…』
「あ?」
『頑張ります』
「…当然だ」
土方さんは「そろそろ見廻り戻るわ」と言ってヒラヒラと手を振り行ってしまった。その後私の集中力が倍増したのは言うまでもない。
夕刻、図書館にて
(エロオヤジ!)
(そのエロオヤジを好いてんのは誰だ?)
(…うう、私です)
すいませんまゆさまァァァ!リクエストから5ヶ月くらい経ってますねorzしかもこんな駄作、もう救いようがありません。本当に申し訳ない!言っていただければいつでも書き直しますので(´`)
リクエストありがとうございました!受験、頑張ってくださいね\(^o^)/
2008.9.12 春日愛紗