のんびり、ゆったり。【沖田】
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「ナマエ~…いやせんか~?」
『はいはい、ここにいますよ!』
ポカポカ日差しが暖かい午後の休憩時間(別名・サボりタイム)、俺は廊下をうろつきながら愛しい女の名を呼んでいた。
俺の声に反応し、向こうの方からパタパタと駆ける足音が聞こえてきて、その音の主の顔を想像して緩んでしまった頬を引き締めた。
『沖田さん、お呼びですか?』
「遅いんでさァ。俺が呼んだら3秒以内に駆け付けろィ」
『私だってそれなりに忙しいんですよ~?これでも急いで来たんですから』
「ナマエには俺よりも優先すべき用事があるんですかィ?」
『だから、そっちを放置して沖田さんのところに来たじゃないですか!』
走ったせいで少し乱れた髪を耳に掛け、ふぅ。と軽く息をはいたナマエは、自室に戻る俺の後ろをちょこちょこついてきた。
真選組結成の頃から女中として働くナマエは、俺と同い年ということもあって話す機会が多かった。初めて見たときから可愛い顔だとは思っていたけれど…長い間一緒にいるうちに、ナマエがいないと物足りなく感じる程になってしまった。
「まあ座りなせェ」
ナマエの為に座布団を出してやり、自分はその向かい側に腰かけた。俺が指差した座布団を見て、ナマエは眉をピクリと動かして真っ直ぐこちらを見つめた。
『仕事がありますので、長居は出来ません。御用は何ですか?』
「あれれ、2人でいるときは敬語使わないって…約束しやせんでしたかねィ?」
『…何の用事?私、早く仕事に戻らないと副長さんに斬られちゃうんだって!』
「…俺が守ってやりまさァ!」
『いやいや、そんなカッコいいこと言われても。もう…用事ないなら行くよ?』
正直、ナマエの口から土方さんの名前が出てきたことにもイラッと来たが…襖に手を掛けるナマエが本当に行ってしまいそうだったので、内心焦りながら声をかけた。
「俺とサボる、それが仕事でさァ…」
その言葉を聞いたナマエは一瞬ポカンとしていたが、その後ニッコリ笑って『仕方ないなぁ』と言いながら座布団に座ってくれたので安心した。
『ホント総悟はサボってばっかね。副長さんも山崎くんも大変そうよ?』
「んな働いたって仕方ないですぜ。息抜きも必要でさァ」
『総悟は抜きっぱなしじゃない、息!かぶき町で変な噂流れてるよ。昼寝してる総悟を見つけると、恋愛成就に御利益があるとか』
「何でィそりゃ。いい迷惑でさァ…」
昼寝してる度に騒がれちゃ、おちおち寝てらんねーや。それに昼寝中じゃ、俺に御利益が全くない。このニブチン女に俺の気持ちを気付かせてくれよ、昼寝の神様…!
『私の前でも昼寝してよ~!総悟ってば、私が見付けたときはいつも起きてるんだもん。つまんない』
「何でィ。ナマエも恋愛成就希望者かィ?」
『そ、そういうわけじゃないけど…昼寝昼寝!』
そう言ってナマエは、自分の座っていた座布団を2つに畳んで俺に差し出した。
昼寝の神様、いるんなら俺に協力してくだせェ。ナマエが俺だけに夢中になるように、決して他の男とくっつかないように。
「そんじゃ、邪魔するぜィ」
『え、ちょっ…!』
昼寝の神様に祈りながら、ナマエの膝に頭を預けた。最初は驚いていたナマエだったが、しばらくすると大人しくなった。
『…総悟?寝ちゃった?』
ナマエが俺にそう声をかけたとき、本当はまだ寝てなかったが寝たフリを決め込んだ。
するとナマエは優しく俺の前髪に触れて、ゆっくりと撫でた。それが妙にくすぐったくて、同時に心地よかった。
『寝顔、昔と全然変わってないんだね…』
そういえばアイマスクつけんの忘れたな…と思いながら、ナマエの声に耳を傾けていた。
『ホントなのかなあ…あの噂』
前髪を撫でていた手を急に止めて、小さな声で呟いたナマエ。目を開けようかと思ったが、何となくナマエの視線を感じたのでやめた。
『気付いて、総悟………好きなのっ…!』
…は?今、何て?
聞き間違いかと思ったが…いや、絶対に聞こえた。ナマエが俺のこと、好きって。
バレないように薄目を開けてみると、ナマエは真っ赤な顔をして目のあたりを擦っていた。泣いてんのか…?
好きな子が自分のことを好きって言ってくれて、その子が目の前で泣いてんだ。ここで動かにゃ男が廃るってもんでィ…!
『…きゃあっ!?』
上半身だけ起き上がって、ナマエを夢中で抱き締めた。ナマエの体は小さく震えていて、安心させるように耳元で甘く囁いた。
「俺も、ナマエのことが好きなんでさァ」
のんびり、ゆったり。
(ナマエーっ!!どこいったァアァ!!)
(あ、副長だ!)
(チッ、邪魔しやがって…)
ちょ、まず…スイマッセーン!!
うめちゃんゴメン…;;これ誰!?って感じだよね。Sな感じを出したかったんだけど、失敗しました。←
しかも甘くねェし!何か本当に謝っても謝りきれないよ。こんなんでよかったら捧げさせていただきます!!
2008.4.13 愛紗