拍手連載【土方】
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6
「ナマエー」
ナマエが俺の部屋を飛び出していってからしばらくして、散らばった問題集やらなんやらをかき集めナマエの部屋に届けに来てやった。双子といえど勝手に部屋に入るのは気が引けたので、廊下から声をかける。
しかしながらいくら待っても返事が返ってこないので、「入るぞ」と一声かけて部屋のドアを開けた。
「何だよ、いるんじゃねーか」
『…』
ナマエはベッドに突っ伏したまま、こちらを見ようともしなかった。俺はフゥと息をはいて「問題集、ここ置いとくぞ」とだけ言って部屋を出ようとした。ナマエが持参した机も持ってこなくちゃならねェ…。
『……とーしろ…』
部屋のドアノブに手をかけた瞬間、ナマエの声が聞こえた。顔だけそちらに向ければ、ナマエは起き上がってこっちを見つめていた。
「何だよ」
『…十四郎の好きな子って、私の知ってる人?』
いや、知ってるも何もお前なんだけど……なんてことは言えるはずもなく、俺は頭をガシガシとかいて答えた。
「知ってるようで意外と知ってないような感じだな」
『何よそれー!』
真面目に答えろォォ!!と叫んだナマエは、手元にあった枕を投げてきた。俺はそれをひょいとかわし、ニヤリと笑って見せるとナマエは物凄く悔しそうな顔をして『くっそー…』と唸っていた。
「俺の好きな奴聞いたって、何も得なことねーぞ」
『それは私も一緒です~』
俺の部屋に戻ってナマエの机を運んできたら、『まぁまぁ座りなさいよ』と台所からくすねてきたのであろう…菓子と飲み物を出された。2人でプリンにマヨネーズをぶちゅぶちゅかけながら、のんびりと時間を過ごした。
食べ終わったあと、ゴミや洗い物を片付けるため下に降りて、戻ってきたらナマエはベッドに背中を預けアホ面をして寝ていた。
「…あーあー、口開いてっぞ」
マヌケな顔に自然と頬がゆるんだ。ナマエのことが好きな野郎はたくさんいるが、ナマエのこんな顔が見れるのは俺だけだ。ちょっとした優越感を感じながら、風邪をひかれたら困るので起こそうと肩を揺すって声をかけた。
「ナマエ、起きろー」
『んぅ……とー、しろ…?』
まだ半分寝ているのか、むにゃむにゃしながら俺の名前を呼んだナマエは、とんでもないことを言い出した。
「ナマエ、風邪ひ…」
『十四郎…だいすき……』
その瞬間、俺の中で何かがプツンと音を立てて切れた。もういいわ、どうなっても知らねェ。
俺はナマエの腕を引き、思いっきり抱き締めた。愛しくて仕方ねェ女が今、俺の腕の中にいる…こんなに幸せなことはねェ。
どうか、もう少し……あと少しだけでいい、ナマエが目を覚ましませんように…。
「ナマエー」
ナマエが俺の部屋を飛び出していってからしばらくして、散らばった問題集やらなんやらをかき集めナマエの部屋に届けに来てやった。双子といえど勝手に部屋に入るのは気が引けたので、廊下から声をかける。
しかしながらいくら待っても返事が返ってこないので、「入るぞ」と一声かけて部屋のドアを開けた。
「何だよ、いるんじゃねーか」
『…』
ナマエはベッドに突っ伏したまま、こちらを見ようともしなかった。俺はフゥと息をはいて「問題集、ここ置いとくぞ」とだけ言って部屋を出ようとした。ナマエが持参した机も持ってこなくちゃならねェ…。
『……とーしろ…』
部屋のドアノブに手をかけた瞬間、ナマエの声が聞こえた。顔だけそちらに向ければ、ナマエは起き上がってこっちを見つめていた。
「何だよ」
『…十四郎の好きな子って、私の知ってる人?』
いや、知ってるも何もお前なんだけど……なんてことは言えるはずもなく、俺は頭をガシガシとかいて答えた。
「知ってるようで意外と知ってないような感じだな」
『何よそれー!』
真面目に答えろォォ!!と叫んだナマエは、手元にあった枕を投げてきた。俺はそれをひょいとかわし、ニヤリと笑って見せるとナマエは物凄く悔しそうな顔をして『くっそー…』と唸っていた。
「俺の好きな奴聞いたって、何も得なことねーぞ」
『それは私も一緒です~』
俺の部屋に戻ってナマエの机を運んできたら、『まぁまぁ座りなさいよ』と台所からくすねてきたのであろう…菓子と飲み物を出された。2人でプリンにマヨネーズをぶちゅぶちゅかけながら、のんびりと時間を過ごした。
食べ終わったあと、ゴミや洗い物を片付けるため下に降りて、戻ってきたらナマエはベッドに背中を預けアホ面をして寝ていた。
「…あーあー、口開いてっぞ」
マヌケな顔に自然と頬がゆるんだ。ナマエのことが好きな野郎はたくさんいるが、ナマエのこんな顔が見れるのは俺だけだ。ちょっとした優越感を感じながら、風邪をひかれたら困るので起こそうと肩を揺すって声をかけた。
「ナマエ、起きろー」
『んぅ……とー、しろ…?』
まだ半分寝ているのか、むにゃむにゃしながら俺の名前を呼んだナマエは、とんでもないことを言い出した。
「ナマエ、風邪ひ…」
『十四郎…だいすき……』
その瞬間、俺の中で何かがプツンと音を立てて切れた。もういいわ、どうなっても知らねェ。
俺はナマエの腕を引き、思いっきり抱き締めた。愛しくて仕方ねェ女が今、俺の腕の中にいる…こんなに幸せなことはねェ。
どうか、もう少し……あと少しだけでいい、ナマエが目を覚ましませんように…。