拍手連載【土方】
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4
部屋に荷物を置いて着替えリビングに行くと、晩飯のハンバーグがホカホカと湯気を立てて旨そうに並べてあった。
『あーお腹空いたァ!!』
「ナマエ、ちゃんと手洗ったの?」
飯をよそう母さんの横をすり抜けて、冷蔵庫に手をかけた。そこからマイマヨネーズを取り出し、ついでにナマエのマヨネーズも出してやる。
『洗ったよ~。お母さんってば何で私ばっかに言うの!?』
「十四郎はしっかりしてるもの」
「ふはは、当然だろ」
『むっ!あ、ありがと~』
意地の悪いことを言いながらもナマエのマヨネーズを渡してやると、ナマエは素直に礼を言った。そしてテーブルのハンバーグを見つめて、再び『おかーさん!』と騒ぎ出した。
「今度は何?」
『私のハンバーグ、十四郎のより小さいよ!!』
「そんなことないわよ、一緒でしょう?」
『ちーがーうー!ホラホラよく見て、十四郎のが大きいよ!!』
「交換してやるから騒ぐなよ!」
『うわわマジでか!ありがとう十四郎、愛してる!!』
愛してる……ナマエは何の意識もなく言ったんだろうが、そんな一言が俺を苦しめるんだ。(ほんの少し)デカいハンバーグを手に入れて上機嫌なナマエを見ていたら、更に胸がギュッと締め付けられる思いだった。
晩飯を食い始めてから少しして、突然母さんが口を開いた。
「アンタたち、恋人とかいないの?」
『いないよ、ハンバーグ最高~』
「十四郎は?」
「俺もいねェ」
そっか~、とちょっと寂しそうに言う母さんを見ながら俺は味噌汁をすする。ナマエは母さんに全く興味を示さず、『幸せ~…』とか言いながらハンバーグを頬張っていた。
「ナマエは好きな奴いるらしーぜ」
『ぶっ!何言ってんの十四郎!!』
「あらあら、どんな人?」
俺に向かって『裏切り者ー!』と叫びながら、母さんに問い詰められるナマエを見てニヤリと笑う。好きな奴をいじめたがるって、小学生か俺は!
観念したナマエは、さっき俺に話したのと大体同じ内容のことを母さんにも話した。
『でも叶わない恋だからね。想ってるだけで幸せなの』
「ふうん、ナマエがいいならそれでいいけど…」
ナマエは再びハンバーグを頬張り、真剣な表情で黙々と口を動かしていた。こりゃ相当ソイツに惚れ込んでるな。
「で、十四郎には好きな人いないの?」
目をキラキラ輝かせて尋ねる母さんに、やっぱナマエにだけ暴露させるのは可哀想だと思って本音を告げた。
「俺もいるよ、死ぬほど好きな奴が…絶対に報われねェけど」
『そう、なの…?』
ナマエの手から箸がポロリと落ちた。唇に飯粒を付けたナマエは心底驚いた表情で、その顔が少し悲しみを帯びているようだと思ってしまったのは、俺の見間違いなんだろうか。
部屋に荷物を置いて着替えリビングに行くと、晩飯のハンバーグがホカホカと湯気を立てて旨そうに並べてあった。
『あーお腹空いたァ!!』
「ナマエ、ちゃんと手洗ったの?」
飯をよそう母さんの横をすり抜けて、冷蔵庫に手をかけた。そこからマイマヨネーズを取り出し、ついでにナマエのマヨネーズも出してやる。
『洗ったよ~。お母さんってば何で私ばっかに言うの!?』
「十四郎はしっかりしてるもの」
「ふはは、当然だろ」
『むっ!あ、ありがと~』
意地の悪いことを言いながらもナマエのマヨネーズを渡してやると、ナマエは素直に礼を言った。そしてテーブルのハンバーグを見つめて、再び『おかーさん!』と騒ぎ出した。
「今度は何?」
『私のハンバーグ、十四郎のより小さいよ!!』
「そんなことないわよ、一緒でしょう?」
『ちーがーうー!ホラホラよく見て、十四郎のが大きいよ!!』
「交換してやるから騒ぐなよ!」
『うわわマジでか!ありがとう十四郎、愛してる!!』
愛してる……ナマエは何の意識もなく言ったんだろうが、そんな一言が俺を苦しめるんだ。(ほんの少し)デカいハンバーグを手に入れて上機嫌なナマエを見ていたら、更に胸がギュッと締め付けられる思いだった。
晩飯を食い始めてから少しして、突然母さんが口を開いた。
「アンタたち、恋人とかいないの?」
『いないよ、ハンバーグ最高~』
「十四郎は?」
「俺もいねェ」
そっか~、とちょっと寂しそうに言う母さんを見ながら俺は味噌汁をすする。ナマエは母さんに全く興味を示さず、『幸せ~…』とか言いながらハンバーグを頬張っていた。
「ナマエは好きな奴いるらしーぜ」
『ぶっ!何言ってんの十四郎!!』
「あらあら、どんな人?」
俺に向かって『裏切り者ー!』と叫びながら、母さんに問い詰められるナマエを見てニヤリと笑う。好きな奴をいじめたがるって、小学生か俺は!
観念したナマエは、さっき俺に話したのと大体同じ内容のことを母さんにも話した。
『でも叶わない恋だからね。想ってるだけで幸せなの』
「ふうん、ナマエがいいならそれでいいけど…」
ナマエは再びハンバーグを頬張り、真剣な表情で黙々と口を動かしていた。こりゃ相当ソイツに惚れ込んでるな。
「で、十四郎には好きな人いないの?」
目をキラキラ輝かせて尋ねる母さんに、やっぱナマエにだけ暴露させるのは可哀想だと思って本音を告げた。
「俺もいるよ、死ぬほど好きな奴が…絶対に報われねェけど」
『そう、なの…?』
ナマエの手から箸がポロリと落ちた。唇に飯粒を付けたナマエは心底驚いた表情で、その顔が少し悲しみを帯びているようだと思ってしまったのは、俺の見間違いなんだろうか。