拍手連載【土方】
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「ナマエ、早くしねェと遅れるぞー」
俺には10年以上、ずっと片想いをしている女がいる。これからも結ばれる予定はねェし、他の女に惚れる予定もねェから、まだまだ片想いは続いていくだろう。
『ちょ、待ってよ十四郎!』
ワタワタしながら鞄を抱え、上の階から降りてきたのがその女だ。名前は土方ナマエ……俺の双子の妹。
自分の妹に惚れるなんざ、未だに信じられねェが事実だ。俺は兄妹愛なんかじゃなく、ひとりの女としてナマエのことが好きなんだ。
「ったく、夜更かししてっから寝坊するんだろーが」
『だって面白いマンガ借りちゃったんだもん。文句なら妙ちゃんに言って~』
「志村妙?無理ッ!」
『即答かよ!十四郎だって夜更かししてるくせに…』
「俺は予習してんだよ。だから大丈夫なんだ」
『理由になってないィイィ!!』
俺たちは普通の兄妹よりも、だいぶ仲が良いだろう。毎日登下校は一緒だし、休みの日も一緒に過ごすことが大半を占める。
一時期はナマエの近くにいるのが苦しくて距離を置いたが、その方がもっと辛くて結局元通りだ。俺の想いなんて知らねェナマエは当時、『反抗期ですかコノヤロー』とか言ってケタケタ笑っていた。
『あ、お昼は迎えに行くからね!』
「お前いい加減、財布くらい持てよ!高校生だぞ!?」
『だーって…お母さん、十四郎に2人分のお昼代渡すじゃん!』
何だかんだ言いつつ、俺はナマエと昼飯が食えるのが楽しみでもあったりする。
さっきナマエが言ったように母さんが俺に2人分の金を渡すので、自然に一緒に食べられるのだ。
『それに、』
「それに?」
『…お昼は十四郎と一緒に食べたいもん』
頬を少し紅潮させて目をそらすナマエを見て、俺の顔が緩むのを感じながらも、素直じゃねェ俺には、「俺もだ」なんて言えるはずなかった。
「授業終わったら、ダッシュで俺のクラス来いよ」
「ナマエ、早くしねェと遅れるぞー」
俺には10年以上、ずっと片想いをしている女がいる。これからも結ばれる予定はねェし、他の女に惚れる予定もねェから、まだまだ片想いは続いていくだろう。
『ちょ、待ってよ十四郎!』
ワタワタしながら鞄を抱え、上の階から降りてきたのがその女だ。名前は土方ナマエ……俺の双子の妹。
自分の妹に惚れるなんざ、未だに信じられねェが事実だ。俺は兄妹愛なんかじゃなく、ひとりの女としてナマエのことが好きなんだ。
「ったく、夜更かししてっから寝坊するんだろーが」
『だって面白いマンガ借りちゃったんだもん。文句なら妙ちゃんに言って~』
「志村妙?無理ッ!」
『即答かよ!十四郎だって夜更かししてるくせに…』
「俺は予習してんだよ。だから大丈夫なんだ」
『理由になってないィイィ!!』
俺たちは普通の兄妹よりも、だいぶ仲が良いだろう。毎日登下校は一緒だし、休みの日も一緒に過ごすことが大半を占める。
一時期はナマエの近くにいるのが苦しくて距離を置いたが、その方がもっと辛くて結局元通りだ。俺の想いなんて知らねェナマエは当時、『反抗期ですかコノヤロー』とか言ってケタケタ笑っていた。
『あ、お昼は迎えに行くからね!』
「お前いい加減、財布くらい持てよ!高校生だぞ!?」
『だーって…お母さん、十四郎に2人分のお昼代渡すじゃん!』
何だかんだ言いつつ、俺はナマエと昼飯が食えるのが楽しみでもあったりする。
さっきナマエが言ったように母さんが俺に2人分の金を渡すので、自然に一緒に食べられるのだ。
『それに、』
「それに?」
『…お昼は十四郎と一緒に食べたいもん』
頬を少し紅潮させて目をそらすナマエを見て、俺の顔が緩むのを感じながらも、素直じゃねェ俺には、「俺もだ」なんて言えるはずなかった。
「授業終わったら、ダッシュで俺のクラス来いよ」