お約束な私たちの青春【ALL】
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
3月3日、今日は銀魂高校の卒業式。
私が3Zで過ごした1年間は本当に笑顔でいっぱいで、寂しくて泣く暇なんてなかった。
みんながいたからずっと頑張ってこれたんだし、本当に感謝している。こんなに素敵な仲間たちに出逢えることは、この先もう望めないだろう。
卒業式では絶対に泣くもんかと思っていたけれど、式を終えて教室に戻ると涙が溢れ出して止まらなくなってしまった。
『みんなと離れたくないよー!』
「ナマエちゃん、泣かないでよ~」
「そうアル!今生の別れな訳ではないネ!!」
「ナマエ、幸い俺とは同じ大学でさァ。寂しくなんかないだろィ?」
「俺も一緒だぞ、総悟。忘れんなよ」
「あっ、すいやせん土方さん」
「忘れてたんかいィイィー!!!」
ボロボロ泣き出してしまった私を落ち着かせようと、優しい言葉をかけてくれるみんな。
向こうで保護者さんたちと話していた銀八もやってきて、肩をポンポンと叩いてくれた。
「ナマエ…銀八先生と別れるのがツラいんだろう。大丈夫、先生の胸はいつでも「先生ウルサイアル!」
「そうよ、ナマエちゃんは先生との別れを惜しんでるんじゃないのよ。私との別れがツラいんだから!」
「違う、私だ!」
「ヅラは黙ってな!!ってゆーか、卒業式くらいヅラ取れって言っただろ」
「先生、泣きますよ」
「ナマエちゃん!俺とお妙さんの結婚式には絶対呼ブハァアァァ!!!!」
「誰がテメェと結婚するかァアァ!!」
いつも通りの3Zのみんな。誰かがちょっとでも悲しい表情を見せたら、全員が全力で笑顔を取り戻す。私たちは1年間、ずっとこうしてきたんだ…。
「よォし、青春ごっこすっぞ」
「青春ごっこ?」
「全員銀八先生についてきな!」
「先生待って~!」
「ホラ、行くぞナマエ!!」
『わっ!転ぶ転ぶ!!』
手を繋いで全員で教室を後にして、上靴のまま校舎外に飛び出した。
他のクラスの生徒や、卒業式に来ていた保護者さんたちは驚いて私たちを見ていた。
学校近くの河原まで全力で走って、息を切らしたみんなで草の生えている土手に寝転んだ。
「いーかァ、テメェら!!」
『銀八、なーに?』
「最後くらいカッコよく決めるがイイネ」
「カッコよくな!」
「ちょ、ハードル上げないでくれる?」
呼吸を整えた銀八が立ち上がってみんなに声をかける。みんなは上半身を起こして、銀八の話に耳を傾けた。
「問題児だらけ…っつーか問題児じゃない生徒のいない3Zだったが、」
「問題教師も忘れんな」
『そーだそーだ!授業中にジャンプ読んでるの、校長先生に秘密にしといてあげたんだからね』
「煙の出るペロペロキャンディーもですよ」
「数々のセクハラ発言もネ」
「…先生泣いてもいい?」
『頑張って、銀八先生!』
銀八は目尻に浮かんだ涙を拭って、ゴホンと大きな咳払いをして再び話し始めた。
「俺はお前たちのことを、誇りに思っている!!!」
「先生…」
「だから、お前たちもこの3Zのことを絶対に忘れんな!!!…忘れた奴は、ヤキ入れてやるからな!!!!」
ズビッと鼻をすすった銀八の顔を見て、私たちは微笑んだ。
忘れるわけないじゃん。
楽しい1年間をありがとう、みんな!
お約束な私たちの青春
(銀八!遊びに来ちゃったよー)
(さァ、もてなすがいいネ!)
(テメェら、卒業してから毎日遊びに来てるじゃねーかァアァ!!!)
感動話目指したけど撃沈。
河原を走るシーンは、本家3Bのイメージで…。
2008.3.10 愛紗