七夢
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あの後俺は鈴の亡骸を抱えたまま屯所に戻り、ずぶ濡れになった姿を心配されたが「そんなことはどうでもいいから、鈴を頼む…」と隊士に託した後、ぶっ倒れた。
目が覚めた時に、近藤さんが心配そうに俺を覗き込んでいた。鈴をどうしたか聞けば、屯所の霊安室にいるとのこと。鈴に身寄りがいねェのは知っていたので、近くの寺で経をあげてもらった。
その後寺の一画に墓をたて、そこに鈴の骨を納めた。墓標には「土方家之墓」と刻まれている。この墓をたてた後、俺は隊士全員に言った。
「俺が死んだら、鈴と一緒に眠らせてくれ」
例の御館様はしょっぴいたが、結局鈴を救うことは出来なかった。それでも、死んだ後くらいは一緒に過ごしたい。今から死後のことを考える自分を笑い、今日も俺は鈴に会いに行く。時間は、太陽が一番高く昇る午後2時。
「鈴、今日もいい天気だ。見えてるか?」
鈴の好きそうな花を購入し、墓前に供えて線香をたてた。空には太陽が燦然と輝いている。線香の香りがツンと鼻にきて、少し涙が出た。
(太陽の下で笑う鈴、お前が生きてる間に見てみたかった)
完結致しました!ご愛読ありがとうございました!
2008.8.31 春日愛紗