七夢
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私のその言葉に、土方さんは驚きも狼狽えもしなかった。ただ、眉毛をピクリと反応させた。
私は目を逸らさず、深く息を吸い込んで続きを言った。
『私がいても、土方さんに迷惑をおかけするだけです。土方さんのことは…大好きです、もう、自分なんてどうでもよく思えるくらいに!自分の生涯を通してずっと愛したいくらいに…!でも、だからこそ土方さんに迷惑…っ!』
私が涙をボロボロ溢しながら思いの丈を伝えると、土方さんは傘を投げ捨てて私を抱き締めた。全てを包み込むように、優しく。
「迷惑なんて思うわけねェだろ…!お前は今まで自分を犠牲にしすぎてたんだ…今くらい、自分のために生きてみろ……!」
そう言う土方さんの声も震えていて、私の涙は勢いを増した。
『本当はっ、生きたい。これから先…土方さんと一緒に、生きていきたいです……!』
「それが聞きたかったんだよ…お前の素直な気持ちが……やっと聞けたな」
体を離した土方さんは、柔らかく笑っていた。
「御館様とやらが来る前に行くぞ、見つかると厄介だ」
『はい…!』
数時間前と同じように繋いでもらった手を見て、私は頬が緩んだ。そしてそのまま、夜の街を走った。