四夢
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昨日、私はとんでもないことをしてしまった。思い出すだけで顔がカアッと赤くなってくのがわかる。
何であんなことをしたんだろう?土方さんの言葉に腹が立ったから?…ううん、違う。土方さんに誤解されるのが、嫌だったからだ。
土方さんは他の人とは違う。土方さんは、私の特別な人だ。一方的な想いだけど、これだけは譲れない。
初めてだった。私を、一人の人間として見てくれた人。外見じゃなく、中身を見ようとしてくれた人。息の詰まりそうな日常に、一筋の希望を与えてくれた人。
けれど、この想いは伝えられない。伝えることは、許されないのだ。
「鈴、行くぞ」
『はい、御館様…』
「…やはりあんな賭けすべきではなかった。なぜ鈴を他の男共に晒さねばならぬのだ……」
そう、私は囲われ者。御館様の「所有物」なのだ。外に出ることさえなかなか許されない。
御館様の賭けの結果勤めているスナックにいる間だけが私の自由な時間。それももうすぐ終わり、また絶望の日々が始まる。
なので、この想いは秘密のままでいなければならない。けど昨夜は我慢できなくなって、つい行動を起こしてしまった。
でもきっと、もうあれが最後だろうな。今日はもう、土方さんは来てくれないだろう。
外に出られるのに、こんなにも足取りが重い日は初めてだった。