四夢
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ボーッとした頭のまま屯所に戻ると、廁にでも行っていたのであろうか寝巻き姿の総悟に出会った。目が合ったときはボケッとしていた総悟だったが、何かに気付いたのか「あ」と短く声をあげて俺の方へ近付いてきた。
「何だよ」
「土方さん、こんな時間にどこ行ってたんです?」
ニヤニヤしている総悟に疑問を抱きつつも「別にどこだっていいだろ」とそっけなく返事を返した俺は、草履を脱いで玄関に上がった。が、次の総悟の言葉に派手にコケた。
「女と遊んでたんでしょう。唇に紅がついてやすぜ」
「!…なっ、なっ……!」
「いけねェや土方さん、俺ァまだ未成年ですぜ?教育上良くないことは避けてくだせェ」
「…お前に言われたかねーよ」
心底楽しそうに俺をからかう総悟を一瞥し、早足で自室に戻った。
押し入れから布団を取り出して敷き、すぐ寝ちまおうと思ったがやはり気になる。他の隊士を起こさねェように、忍び足で洗面所に向かった。
「…あ、」
確かに俺の唇には、鈴がつけていた紅と同じ色が微かについていた。
こんなもんよく気付いたな…と思いながらそれを流そうと思ったが、何となく躊躇してやめた。
そう、これを洗い流してしまったら、鈴の唇の感覚まで忘れてしまいそうな気がしたから。咄嗟のことであまり覚えてないけど、少しでも俺の記憶に刻み付けておきたかった。
四夢*安寿姫の気持ち