一夢
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初めて君を見たときは、美しい娘だという印象しかなかったんだ。
まさかあんなに、自分を犠牲にしてでも一人の女を救いたいと願うなんて、ちっとも思わなかった。
<center>胡蝶の夢</center>
「いやーお妙さん!今日も相変わらずお美しい!!」
「じゃあドンペリで」
「あれ、何か会話が成り立ってないような気がする」
最近攘夷浪士どもの動きが怪しく、その為俺たちは忙しかった。ようやく仕事が落ち着き、「もー我慢できん!」と騒ぎ出した近藤さんがスナックすまいるに行くと言い出したので、そのお供で俺も飲みに来た。いつもの如く志村妙はぼったくりまがいな行為をとるが、近藤さんが楽しそうなので良しとする。
カラン、とグラスの中の氷を鳴らし、ふと店の奥の方に目を向けるとそこには見知った幕府のお偉いさんがいた。
「近藤さん、アレ見ろよ」
「何だよトシィ~」
志村妙との会話(?)を邪魔されて微妙に不機嫌になりながらも俺の指差す方に目を向けた近藤さんは、おっと短く声を上げて志村妙の方へ向き直った。
「綺麗な子だね、新入りさん?」
近藤さんの発言にハァ?と気の抜けた反応しかとれなかった。しかしもう一度そちらに目を向ると、お偉いさんの相手をしている娘は確かに美しかった。
「ああ、安寿ちゃんですよ」
「あんじゅちゃん?」
「うちの店長が安寿ちゃんの保護者さんと賭けをして勝ったみたいで、2週間だけ働いてるんです。残りあと1週間かしら…」
「へぇ、」
自分の娘を賭けの戦利品にするなんてどんな親だ。と思ったが、次の志村妙の発言に全てが納得いった。
「保護者、なんて言っても……買い主なんですけどね」
一夢 ひらり、舞う蝶
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