好き、かも
夜中に目を覚ました私は、ちょっと考え事をしていた。
もちろんトシのことで。今朝ベランダで出会うまで、私は彼を【男】として見たことはなかった。あくまでマンガのキャラクター……でも今、目の前で寝てる(ベッドを譲ろうとしたけど、それは流石に。とか言って結局床で就寝中)トシを見ると、何だか変な気持ちだ。
性格も(マンガを読む限りは)理想的なタイプだし、顔もモチロン超絶にカッコいい。でもやっぱり思うんだよね、結局住むべき場所の違う私たちは…恋しちゃいけないんだって。後々、絶対に来るであろう別れが辛くなるから。
でも、昨日からの自分の気持ちは、この考えとは相反している。可笑しいくらいの矛盾だ。頭でわかってても止められない!って、まさにこのことなんだろうな…。
ふふ、と自嘲するように笑って、明日の為に眠ることにした。
翌朝、私は大学に行かないといけないので早めに起床。トシを起こさないようにそーっと台所へ行き、簡単な朝食を用意した。自分はそれを味見程度に食べて、残りはラップをかけてテーブルの上へ。そこにちょっとしたメモを添えて、静かに家を出た。
『…今日もいい天気!』
そう言えば、家にマヨネーズのストックがなかった。帰りにでも買っておかないと…。なんて、主婦みたいなことを考えながら駅に向かった。
zwei 好き、かも。