確信と本音
「…」
今朝から俺は、ずっと落ち着かなかった。今日は[#dn=2#]と約束した日、つまり俺から電話をかける日だ。[#dn=2#]にはカッコつけて「大丈夫だ」なんて言ったが、俺は実際不安だった。自分がこんなに心配性だとは知らなかった。
“繋がらなかったらどうしよう”
そんな思いでいっぱいで、朝から何度頭をぶんぶん振っただろうか。昼前にはもうぐったりしてしまい、その頃からだんだん吹っ切れてきた。今夜電話が通じなかったら、また次の新月に[#dn=2#]から電話をかけることになっている。もしそれも通じなかったら……なんて考え始めたらキリがないので、ポジティブにいくことにする。そうだ、例え通じなくとも“あの晩”[#dn=2#]からの電話が通じたのには何らかの条件があるはず。それさえわかればまた[#dn=2#]の声が聞けるはずだ。姿は見えなくとも、[#dn=2#]の声が聞けるだけで十分……
なんて考えていたら、とうとう約束していた時間になった。もしかしたら急に仕事が入って時間通りにかけられないかもしれない、と[#dn=2#]に断っていたが、どうやらその心配は杞憂に終わったようだ。
俺はゴクリと唾を飲み込み、目の前のケータイに手をかけた。自分の心臓がどくどくと音を立てているのがわかる。そんな状態に気付かないフリをして、俺は電話帳から[#dn=2#]の名前を探し、そして願いを込めて発信ボタンを押した。
プッシュ音の後に聞こえる呼び出し音を聞いて、俺の気持ちは逸るばかりだった。