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確信と本音



ある夜、私は携帯電話を睨み付けて正座していた。この日…トシに電話が繋がってからちょうど1ヶ月が経った今日、私はある約束を信じて朝から緊張しっぱなしだった。



「…ああ、月の出ない夜にな」



そうトシと約束し、私にはこの1ヶ月不安と希望の波が交互に押し寄せていた。
あれだけ“逢いたい”と切望していたトシの声が聞けて…あの時もう本当に夢なんじゃないかと思うくらい嬉しくて、胸がいっぱいになった。

そして今夜、トシから電話がかかってくる手筈になっている。もしこれで電話が通じれば、繋がる条件が大体決まってくる。この前は私から発信したけど、電話をかけるのは新月の夜ならばどちらからでもいい、ということになる。繋がらなければ、次の新月に私がかけてみればいい。それでも繋がらなかったら…新月とは関係のない、別の条件があることになる。また長い間声も聞けなくなるかもしれないけど…でも絶対、何かあるずだ。もう弱気になるのはやめた。何があっても絶対、諦めない…!


しばらく月の出ていない空を眺めていたけれど、目線をケータイに戻してじっと再び凝視した。するとタイミングを合わせるかのようにケータイは光り、電話の着信を知らせる音が鳴り響いた。背面ディスプレイを見ると、表示された名前に思わず頬が緩んだ。



二夜*確信と本音
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