出会いは突然
それにしても、トシがうちに住むには物が少なすぎる。なので、今から買い物に行くことになった。しかしトシは隊服姿だし、このまま出れば目立ってしまう。
『あ、そうだ…はいコレ!』
「何だ?」
『バカ男が置いた服。泊まるときに、とか言ってたけど…いらないからあげる』
「…ふーん」
トシはバカ男のことには一切触れずに急いで着替えてくれて、一緒に街へ出掛けた。
デパートまでの道すがら、お互いの自己紹介をした。まあ、トシのことは大体知ってたけど…。
「へぇ、じゃあ[#dn=2#]は学生なのか」
『看護学科生だよ!トシは副長なんだよね、すごい』
「日々、味方に命を狙われてるけどな…」
総悟のことだ!と思いながらクスクス笑っていたら、いつの間にかデパートに着いていた。
『まずは服かな~?』
「悪ィな、金はいつか必ず返す」
『もう、いいってば!悪い、なんてもう言わないで。ね?行こっ!』
トシの手を引っ張って、服を売っているフロアに向かった。
たくさんある中から、トシに似合いそうなものを何着か選んで購入。やっぱり着物がいいのかな。と思って、ちょっと(というか、かなり!)痛い出費だったけど、奮発した。
「す、すまねェな…」
『…だからそーゆうこと言わないでってば!もう、他の物買ってくよ!!』
「おう…」
その後、歯ブラシやら茶碗やら…生活に必要なものを一通り購入して、帰路についた。