微かな心境の変化
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『あ、おはよー!』
「…え?なんで、雅が…?あ、そうか、一緒に……」
『あはは、寝ぼけてんの?』
普段通り寝間着のTシャツのままで下におりると、既に銀魂高の制服に着替えた雅がキッチンに立っていた。そうだった、昨日から居候させてるんだったな。アレ?でも何でキッチンに?アイツ料理出来ないって……
「…何ソレ」
『え?ホットケーキ!』
ニコリと微笑む雅が持っている皿に乗っていたのは、もはやホットケーキと呼べる代物ではなく…暗黒物質へと進化していた。
「それホットケーキ違うゥゥ!」
『確かにちょっと焦げちゃったけど…この箱見ながら作ったんだよ!』
そう言って取り出したのはホットケーキミックスの入った箱。でもコレホットケーキじゃ…あ、何か見ちゃいけないもの見つけたぞ俺。
「…雅の後ろにあるそれは何だ?」
『え?これはホットケーキの素』
「違うゥゥそれ天ぷら粉ォォ!!ここ、ここに書いてあるだろーがァ!」
『…あらま!』
中身が空になった袋を手に取り、雅に【天ぷら粉】という文字を指差しながら言うと『テヘッ!』とワザとらしくブリッコして笑っていた。
「逆に何でここまで見事に失敗できるかが分からん」
仕方がないので俺がホットケーキを焼くことになった。何やってんだ、俺。
『う、うるさいなー!ホットケーキとか作ったことないんだもの』
「それもスゲーなオイ、ってゆーか何で箱の中のホットケーキミックスを使わずに作ろうとするんだよ」
『そこに天ぷら粉があったからさ…!』
「何だソレ、上手いことまとめたつもりか?」
我ながら上手くホットケーキをひっくり返すと、雅は『おぉー!』と目を輝かしていた。
「ホラ、出来たぞ」
『わーい!ありがとう』
嬉しそうにホットケーキの乗った皿をテーブルに運び、棚からコップを2つと大きい皿を1つ取り出した。
『十四郎、早く食べよう?』
「俺?」
俺は昨日の残り物でいいか。と思っていたが、雅は出してきた皿にホットケーキを半分移動させて『ハイ』と俺の方に差し出した。
毎朝1人だった朝食を2人で食べると、いつもよりも美味しく感じたのは…笑顔の雅と一緒に食べたからなんだろうか。
3*微かな心境の変化