類は友を呼ぶって事
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
今日は珍しく部活も休みで、かなり早く帰宅した俺は家の片付けをすることにした。俺は普通の一戸建てに住んでるが、両親はこの間から海外出張中で実質独り暮らし状態にある。最近遠征続きで忙しかったからな~、とか考えながら掃除機をかけていると、ピンポーンと玄関のインターホンが鳴った。
誰だ?まさか総悟じゃねェだろうな…こないだも菓子を大量に抱え「ゲームしに来やした」とか言って1日中居座りやがった。それは絶対に避けたい。
もし総悟だったら居留守を使おう…地球と心をひとつにしろ。俺は宇宙の一部であり、宇宙は俺の一部だ!
そっと覗き穴から外を見れば、なんと高島が重そうなカバンを抱えて立っているではないか。驚いてドアを開ければ、俺を見た高島は『あ』と短く声を上げた。
『え~っと…ここって土方さんのお宅ですか?』
「…そうだけど」
『わお、【土方】って珍しい名字だからもしかしたらとは思ってたけど…やっぱ土方くんのお家だったんだ!これからお世話になります!!』
綺麗に微笑んでペコリと頭を下げた高島を前に、俺は固まっていた。今なんつった?
「え、高島…ソレどういうことだ?」
『ん、お父様やお母様に聞いてないですか?私、ここに居候させてもらうんです!』
「…エェエエェ!!?」
「どーゆうことだよ、親父!!」
高島の爆弾発言の後、うちの両親が海外出張中であることを伝えるとかなり驚いていた。まぁ無理もないか。
それで親父に電話をかけて確かめてみると、何とも無責任な返事が帰ってきた。
《そーだった!忘れてた。テヘ》
「テヘ、じゃねーだろオイイイ!我が親父ながら情けねェェ!!」
《まぁ一緒に住ませてやれよ。ケチケチすんな十四郎、男は器がでかくなくちゃモテねェぞ》
「ケチとかそーゆーこと言ってんじゃねェよバカ親父!」
親父の後ろで「あなた、十四郎だって色々あるのよ。クスクス」…ってまた他人事の様に笑うおふくろの声まで聞こえて、俺は怒りを通り越して呆れた。
これ以上会話してても埒があかないので、電話を切って高島の方に振り返った。
「悪い、高島。親父たち忘れてたみてェで」
『あ、そうなんですか…』
ソファーの上に姿勢を正してキッチリ座っている高島は、困ったように眉尻を下げた。本当に申し訳ない、無責任な親父で!
『でも…困りました。私、行くところないんですよ』
「…高島さえ良ければ、ここにいてもいいんだけどよォ……」
そういうわけにもいくまい。大体、男と2人で住むなんて高島の両親が許さねェだろう。
どーしたもんか…と考えていたら、いつの間にか高島が俺の目の前にいた。
「うぉ、何だ!?」
『ここにいても、いいんですか…!?』
高島は目を輝かして俺の手を握った。ちょ、忘れてたけど…コイツめちゃめちゃ可愛いんだった……!一気に顔が赤くなるのが分かる。
「い、いや…俺はいいけど……高島の両親が許さねェだろ」
俺がそう言うと、高島の表情が一瞬曇った。けどすぐに元の笑顔に戻って『大丈夫です!私、両親いないので』なんて言い出した。そうだったのか、マズイこと言っちまったかな…。
「いや、でも…この家には俺しかいねェし」
『大丈夫です!私、土方くんに変なことしたりしませんから!!』
「どっちかっつーと俺のセリフだろソレェエェ!!」
『土方くんが良ければ、ですが…ここに置いてもらえませんか?』
コイツ、アホだろ。高島がそんな必死な顔して頼めば、男なら誰でも聞いちまいそうなもんだぞ。
『土方く…』
「十四郎、」
高島の言葉を遮ってそう言うと、高島はキョトンとしていた。
「一緒に住むんだ、名字でなんて他人行儀だろ…十四郎、って呼び捨てでいいから」
『ありがとう、ひじか…十四郎!!私も雅でいいですよ!』
少し涙を浮かべて嬉しそうに笑う高島…じゃなくて雅は、本当に可愛かった。…ん?別に惚れた訳じゃねェぞ!!