Z組メンバー的日常
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「げっ!」
生活必需品を大体買い揃えて広いフロアをウロウロしていたら、十四郎が急に柱の影に身を隠した。
『十四郎?』
「そこ、そこ!」
必死に何かを訴えてくる十四郎の指差す先をたどっていくと、そこには近藤くんたちの姿があった。
そっか、今日は十四郎…私のために部活サボっちゃったんだよね。見つかったら厄介なことになる!
私もコソコソと十四郎の隣に隠れると、何とも彼ららしい会話が聞こえてきた。
「おっ妙さーん!」
「あーうるせェェ!近寄るなゴリラァァァ!!!!」
「さすが姐さん、見事なアッパーカットでさァ」
「あ、姉上…」
「何度殴られても懲りないゴリラネ。大体お前ら、部活はどうしたアルか」
「いやー今日トシが休みでさァ、やる気でなかったから自主練習ってことにしちゃった」
「そんで旅行のための買い物に来たんでさァ」
「いい加減アルな」
「剣道部らしいですね」
「鬱陶しい…イチイチ側に来んな!帰れ、ジャングルに!」
…などというやり取りをしばらく聞いていたけれど、何の発展もなく無限ループみたいにずーっと同じような会話を繰り返すので、さすがに飽きて私たちはそのままショッピングセンターを出た。
『あ、あれってまた子ちゃん?』
ショッピングセンターを出てからしばらく歩くと、商店街に出た。十四郎曰く、この町で一番賑わっている商店街らしい。
大勢の人がいる中、一際目立つ金髪をなびかせて自転車にまたがるまた子ちゃんに出会った。と言っても向こうの方に行こうとしているので、多分私たちには気付いていない。彼女の自転車の荷台には何故か銀色の箱のようなものがくっついていた。
「アイツんち、ラーメン屋だから。今から出前らしいな、おかもち持ってるし」
『アレおかもちって言うんだ~』
ペダルに足をかけて、こぎだそうとしているまた子ちゃんの目の前に、突然さっちゃんが現れた。
それに驚いたまた子ちゃんはコケそうになっていたが、何とか体勢を保って怒鳴っていた。
「何するんスか猿飛ィィ!危うくラーメン溢すとこだっただろーが!!」
「あなた今から先生の所に出前しに行くんでしょう」
「ちょ、何で知ってるんスか!気持ち悪!」
「銀さんのことなら何でも知ってるのよ」
「わかった、わかったからそこ退くっス!ラーメン伸びる!!」
「黙りなさい!銀さんのラーメンの邪魔は誰にもさせないわ!」
「邪魔してんのはお前だァァ!」
「いいから私と代わりなさいよ、出前!」
「え、いいの」
「いいわよ、私が行く」
「マジでか!サンキュー猿飛!!」
そう言ってさっちゃんは華麗に自転車に乗って去っていき、また子ちゃんはとてもいい笑顔で手を振っていた。
その様子をポカンとしながら見ていたら、突然後ろから声をかけられた。
「雅ちゃん?」
『あ、九ちゃん!』
クルリと振り返って姿を確認すれば声をかけたのは九ちゃんで、お揃いのウサちゃん風船を持った髪の長い大きな男の人と一緒に立っていた。
「ん、そっちは土方か?」
「柳生」
げ!ヤバい九ちゃんに見られてしまった!!いや、別に悪いことなんてしてないけれども、十四郎は私なんかと一緒にいるところ見られたくないかなぁ…と思ってたんだよね。どーしよう。
「買い物か?」
『う、うんっ!』
「僕もだ、奇遇だ「若ァァァ!この方はどちら様ですか、若とはどんなご関係ですかァァァ!!?」
突然大声を上げた男の人にギョッとしていたら、九ちゃんが「うるさい」と男の人の頭にチョップをお見舞いしていた。
「雅ちゃんがびっくりしてるだろ。彼女は僕のクラスに来た転校生だ」
『ど、どうも…』
「そうでしたか、それは失礼。私は若のお世話係の東城です」
お弁当の人だ!と思ったけど、話に入れてない十四郎が何だかつまらなさそうだったので『また明日ね』と声をかけて九ちゃんたちと別れた。