Z組メンバー的日常
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
放課後、私は悩んでいた。二週間後に控えた修学旅行…その事でさっき、銀八先生に呼び出されたのだ。
他のクラスメイトたちは高校入学時から修学旅行のためにちょっとずつ積み立てを続けていたらしいのだが、私は転入したばかりなのでそのお金がない。やっぱり普通は積み立ててるもんなんだ…どうしよう。私の手持ちのお金じゃ、とても補いきれる金額じゃないし…。
よくよく考えてみたら、私ってば十四郎にもお金を渡していない。このままではただのヒモみたいなもんだ!あわばばばどうしよう。とりあえずバイト探しから始めようか、求人誌探さないと……などと考えながら正門を通り抜け、気合いを入れた。
『やるぞーっ!』
「デケー独り言だなオイ」
その声にパッと振り向けば、門に背中を預けニヤリと笑っている十四郎の姿があった。ヤバイ、叫んだのを聞かれてしまった…!
『と、とーしろ…』
「お前、帰り道覚えてんのか?」
『え?…あんまり』
「だろーと思った」
それだけ言って無言で歩き出す十四郎。あ、もしかして…私のこと、待っててくれたのかな?
『ねぇ、十四郎』
「何だよ」
『…ありがとね』
十四郎は、フン!と照れ臭そうに鼻を鳴らした。後ろから見えた十四郎の耳は、ほんのり赤く染まっていた。
『ねぇねぇ、十四郎は部活とか何かしてないの?』
「俺?剣道やってる」
隣に並んで朝来た道を戻る。そうそう、この角で曲がったような気がする。
『へぇ!今日は部活ないの?』
「今日俺は、腹が痛いらしい」
『…え?』
「腹が痛いらしい、土方は」
『十四郎ってば、サボったの?』
「だから、腹痛だっつーの」
分かったか!と言ってポカンと私の頭を軽く叩いた十四郎は、顔を真っ赤にしてバツの悪そうな顔をしていた。
分かってるよ、十四郎…ホントは私の心配をしてくれてたんでしょ?自分の部活を休んでまで、私が道に迷わないように…。
ありがとう…ともう一度心の中でお礼を言って十四郎の横顔を眺めたら、何だか胸がキューッと締め付けられるような感覚に捕われた。
6*Z組メンバー的日常