恋愛初心者への難問
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妙ちゃんたちに連れられて向かった食堂は、既にたくさんの生徒で溢れていた。
「おわ、満席アル」
「困ったわね~…今の時間じゃ、パンも売り切れてるだろうし」
「僕の弁当を半分食べるか?」
『ええっ、いいよ大丈夫!みんなは私に構わず食べて!!』
「そーゆー訳にはいかないネ」
いや、でも私のせいでみんながお弁当食べ損なっちゃったら困る!あわばばばどうしよう、と考えていたら人だかりの向こうから大きな声が響いた。
「お妙さーん!!!」
「あ、ゴリラアル」
ブンブン手を振って嬉しそうにこちらに近付いてくるのは近藤くんだった。そういえば、近藤くんって妙ちゃんのこと好きなのかなぁ?さっきの時間もチラチラ妙ちゃんのこと見てたような気がするし…。
「一緒にランチでぐぎゃぶ!」
「ゴリラは大人しく笹でも食べてなさい」
『妙ちゃん、それパンダ』
さりげなく肩を抱こうとした近藤くんに、妙ちゃんがきれいな右ストレートをお見舞いした。うわわ、痛そう…。しかしながら近藤くんはすぐに復活して(すごいな)、妙ちゃんに殴られた部分をさすりながら話し出した。
「俺たちの隣、4人分空いてますよ!つーか空けました!!」
「うほっ、ラッキーアル!」
「ゴリラもたまには役に立つわ」
「すまないな、ゴリくん」
行きましょ?と、妙ちゃんに促されて向かったテーブルには、当然ながら十四郎もいた。私が急いで食券を買う列に行くと、男子3人組も一緒にやって来た。
「雅も学食なんですかィ?」
『今日がお弁当だってこと、忘れちゃってて…』
「そうなのか~…高島さんって、料理とか上手そうだよな」
「プッ」
『ちょっと!何、笑ってんの!』
「そうですぜ土方、キモい」
「ふざっけんなコルァ!!」
大勢の生徒が並ぶ列で、十四郎と総悟くんがケンカを始めてしまった。仲裁に入ろうとしたけれど、近藤くんに「危険だから」と止められた。
「アイツらがケンカすると、周りが見えなくなるから危ないんだよ、高島さん」
『あ、雅でいいよ』
「そうか、じゃあ雅ちゃんって呼ぶことにするよ」
「…うがァァ!!」
「もがァ!」
「…お前らいい加減にしろよ!」
『そ、そうだよ!2人とも落ち着いて…』
何とか2人のケンカを止めて、仲良く(?)食券を買った。私はオムライスを頼むためにご飯物の列に並んで、近藤くんと総悟くんは麺類の列に並んだ。最後に食券を買った十四郎は、私と一緒のご飯物だった。
『十四郎もご飯物?』
「今日は牛丼」
『私はオムライス~!楽しみ!!』
「そりゃよかった」
十四郎の顔を見上げると、照れ臭そうにやわらかく微笑んでいた。
…アレ?なぜか心臓が物凄く速くドキドキ鳴ってる。そういえば朝も何か変だったなぁ…病気だったらどうしよう。