微かな心境の変化
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「…これで、よしっと」
銀八が3Z委員リストを完成させたので、ようやく休み時間に入るかと思ったが…俺はあることを忘れていた。
「そんじゃ、係決めるぞ。委員会入らなかった奴は逃げらんねェからな~」
そう、Z組のみに存在する【係】の各々の担当を決めるのだ!ほとんど無理矢理委員会に入らされたようなもんだが、今思うとよかったのかもしれない。なぜなら、係というのは……
「山崎は地味係な、3年連続で」
「ちょっとォォ!またですか!?」
そう、基本的に変な係ばっかりなのだ!可笑しな係になって笑い者になるよりも、ハードな記録委員の方が絶対いい。セーフ!
「山崎しか適任者いないんだ、良かったじゃないか!」
「どこがですかァァ!!」
『地味係って何するの?』
「地味に過ごすのが唯一の仕事でさァ…」
ってゆーか、俺はさっきからこの2人が気になって仕方ない。2人というのは##NAME1##と総悟のことで、さっきから何かを話してはクスクス笑っている。くそ、こっからじゃ声聞こえねェよ…!何しゃべってんだ……って、別にこれはヤキモチじゃない。断じて違う。ただ総悟が雅をイジメてねェかが気になるだけだ!
「え~、他に委員会入ってないのは誰だったかな……高杉か。そんじゃお前生き物係な」
「何でだァアァ!!!」
「ぶふーっ!に、似合う…」
「バカ杉が、生き物係…!」
「ぷっくっく……ダメだ、耐えられねェ…!!」
次の瞬間、教室が爆笑で包まれた。雅はというと…突然の事態に驚いてはいるが、周りがみんな笑っているのでつられて笑っていた。そんな雅を見て、俺まで笑顔になった。
「バカだろ、お前らバカだろ!大体うちのクラスに生き物なんていねーじゃん!」
「フッ、この世に生きとし生ける全てを管理する係だ。慎んで職に就け」
「規模デカァァ!!上手いこと言ったつもり!?つーかその満ち足りた顔やめろヅラ!何か腹立つゥゥ!!」
高杉の必死の抵抗も3Z内では無意味、問答無用で生き物係に決定した。高杉はぐったりとして机に突っ伏していた。
「そんで高杉係が来島な」
「任せるっス!立派に任務遂行してみせるっス」
「何なんだ高杉係て!どんな仕事だよォォ!!」
「それじゃあ私は銀さん係がいいわ!」
「あーハイハイ、猿飛は雑用係」
「フン。先生は私を蔑んで楽しんでるのかもしれないけれど、私だって楽しんでるから」
「私はお楽しみ会係がいいネ!」
「神楽がお楽しみ会係…と」
銀八は猿飛を全く相手にせず、これで全員の委員会と係が決定した。ちなみにチャイナ娘の【お楽しみ会係】というのは、3Zのみで頻繁に開催されるお楽しみ会を仕切る係で、いつも無駄に盛り上がるのだ。
「それじゃ、今から10分休憩な~」
席を離れて志村たちの所に行った雅を見て、少しホッとした。べべべ別に総悟と離れたのが嬉しかったわけじゃねーぞ!無事に友達が出来てよかったな、ってことだ!…って俺、何で雅の親みたいなこと考えてるんだ……。
連載第三話。
今日も高杉はいじめられっ子。
そして2人の心に微細な変化が。
2008.5.16 愛紗