聖夜が為にいざ参る
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「ふー…」
『あ、トシくん!』
夕方になって私たちが担当する掃除に一段落つき、他の隊を手伝おうということになって、別行動を取っていた私の前に、袖の腕捲りを伸ばしながらトシくんが歩いてきた。私は何だか嬉しくなって駆け寄った。
「お、妃咲のとこ掃除終わったのか」
『うん!トシくんも?』
「いや、俺は掃除じゃなくて…」
『じゃなくて…何?』
言葉の末を濁したトシくんに、続きを促すように聞いてみたけど教えてくれなかった。何なんだろう?
「妃咲、隊士たちに【掃除終わったら食堂に集まるように】って伝えてくんねェか?」
『了解!』
よろしくな、ってポンと頭を撫でられて、私は嬉しかったけどやっぱり気恥ずかしさもあり、弾かれたように飛び出した。やばい、トシくんてば私のツボを完全に心得ているようにしか思えない!
『トーシーくん!みんな来ましたよ~』
トシくんに声をかけられてから30分くらい経ち、ようやく全員が集まることが出来た。何のために召集されたのかわからなくて、みんな頭の上に?マークを浮かべて座っていた。
私もまたみんなと同じで、集まるように言ったはいいが目的がわからなくて、ただトシくんを呼ぶしか出来なかった。
「おう、揃ったか」
なぜか厨房の方から出てきたトシくんは、タバコをくわえて得意顔だった。その後に続いて出てきた勲さんも笑顔。本当に何なんだろう?
ん、そういえば何かいい匂いがする……これ、ダシの匂い?
「今日頑張ってくれたオメーらの為に、俺と近藤さんで調達してきた…全員分の年越し蕎麦だ」
「俺が自ら盛っちゃうぜ~!みんな丼持って並べ!!」
ワッハッハ!といつものように高らかに笑う勲さんと「早くしろよ、蕎麦が伸びるだろ!」と怒るトシくん。私たちのことを思って用意してくれてたその気持ちに、今日掃除頑張ってよかった!と思えた。
みんなでお蕎麦を啜り、そのあと会議室に集まって紅白を観た。そして変に私に気を遣って、じゃにいずのカウントダウンライブを観ながら(私は別に誰のファンとかはないんだけど、みんな女の子はじゃにいず好きだと思い込んでいた)年を越した。私はトシくんの隣でカウントダウン出来ただけで幸せだった!私、すごいゲンキンだ…。
でも、来年もトシくんや勲さん、総悟やザキくん…ここにいるみんなで楽しい1年に出来たらいいな!
連載第二十三話。
来年もよろしくお願いします!
2008.12.31 春日愛紗