聖夜が為にいざ参る
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私たちが息を切らして勲さんの部屋に飛び込み、先程の出来事を説明した後に「屯所の大掃除はどうなってるのか?」と聞くと、勲さんはさっきまで笑顔だった表情を一転させて焦り、叫んだ。
「忘れてたァァァ!!」
思ってた通りに慌てふためく勲さんを置いといて、私たちは冷静に隊士全員に召集をかけた。みんなが集まったところで、前にあるホワイトボードにデカデカと「年末大掃除計画」と書いた。
『今日中に屯所を綺麗にしないと、新年は迎えられないわ…!』
「今から担当決めるから、隊ごとに行動しろよ」
『はい、各隊長はクジ引いて。箱の中に入ってる紙に掃除場所が書いてあるから』
引くのはもちろん一番隊が最初、という何とも傲慢な総悟の意見により、隊の順番でクジを引くことになった。クジを作ったのが私なので、私は余ったものを引くことになった。いや、私は別に構わないけど、総悟って変なとこでワガママ言うよね。普段は子供扱いするなとか言うくせに…かわいいなぁ。
トシくん曰く、総悟は以前のトラウマから廁掃除だけはどうしても避けたいらしい。だから最初にクジを引きたいんだね。
はい、と箱を差し出すと、総悟は顔中の筋肉に力が入ってるんじゃないかってくらい凄い顔をして手を突っ込んだ。それでしばらく考え込んだ後、小さく「これだ!」と呟いて一枚の紙を握り、箱から取り出した。
『総悟、何だった?』
「待ちなせェ妃咲、俺の予想だときっとパトカーの掃除か何か…」
ふふふ、と笑いを浮かべながら折ってある紙を開いていた総悟は、そこまで言って手を止めた。その場にカチーンと固まっている総悟を不思議に思った私たちは、後ろに回ってクジを覗きこんだ。
「あ…」
『廁、だね…』
そう、何とも強運なことに、総悟は一発目から廁を引き当てたのだ!二番隊以降の隊長たちは、心底安心したように笑っていた。
「ちくしょぉぉぉ!」
『総悟ォォォ!!』
ショックを受けた総悟は、涙を流しながら会議室を飛び出し、走っていった。