甘いお菓子にご用心
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「それにしても何で妃咲、こんな時間にお菓子作りなんてやってるんですかねィ?」
「そーだよな、何でだろう」
俺も人だかりに混ざり、しばらく一緒に妃咲を眺めていると総悟がポツリと呟いた。確かにその疑問が解決されていなかった。しかし妃咲はすごく楽しそうに型抜きをしていた。型抜きってことはクッキーか?
『ふんふーん♪』
鼻歌を歌いながら楽しそうに作業を続ける妃咲は、かなりの量の生地(らしきもの)の型抜きをしていった。そんなにたくさん作ってどーする気なんだ?
「いや~でもいいっすね」
「お菓子作りしてる女の子って、可愛いですよね~…」
「しかも妃咲隊長ですもんね…可愛いなぁ」
「でも妃咲隊長は副長一筋…」
「ふはははは!」
「うぜー!土方うぜー!」
「んだとコルァァァ!」
隊士たちがあまりに羨ましがるので、調子に乗って笑ってみたが内心はすごくドキドキしていた。こんな自慢げにしていても、もし妃咲に別れを切り出されたらどうしようという考えが頭を駆け巡っていた。
いや、俺は妃咲を信じているぞ!妃咲は絶対にそんなことしねェェ!
うんうん!と、ひとりで納得していたら、妃咲は型抜きをした生地を鉄板に並べ、それをオーブンに入れていた。
「ありゃクッキーですねィ」
「何でまたクッキーを…」
「しかもかなり大量に作ってますね」
「何かのパーティーでもあんのか?」
「俺ァ何も聞いちゃいやせんがねィ」
「う~ん…」
そこにいた全員で考えてみたが、誰にも心当たりがない。ますます謎は深まるばかりであったが、焼き上がるまで時間があるのかエプロンを脱いだ妃咲がこちらに近付いてきて、鉢合わせしたら何となく気まずいので俺たちはそれぞれの部屋に戻った。今だ解決されない疑問を抱えたまま。