女は美を求める生き物
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妃咲はその日、部屋に隠ったまま出てこなかった。まぁ夜も遅かったし、そのままにしても大丈夫だろうと思って俺は風呂を済まして布団に潜り込んだ。
翌朝、身支度を整えて食堂に向かったが、そこには妃咲の姿はなく、近藤さんと総悟が飯を受け取ってちょうど席につこうとしていたところだった。
「おはよう、トシ!」
「あぁ、おはよう。妃咲は?」
「土方さんはいっつも二言目には「妃咲、妃咲」ですねィ。依存症ですかィ?」
「何だと!?だが否定しねェ!」
「いや、そこはしとけよ!」
そう言っていつものようにギャーギャー騒いでいたら、後ろの方から『おはよう』と妃咲の声が聞こえた。バッと振り向くと、そこには黄色の山。ん?黄色?
「妃咲、それ…」
『バナーナ!』
ドサッと音を立ててバナナの山をテーブルの上に置いた妃咲は、無駄に良い発音で山のてっぺんにあったバナナを一房掴み、ジャーンと俺たちに見せつけた。
「いや、それはわかるけども!何で山積み!?つーかそんなにどっから持ってきたんだ!」
『朝一番、市場で買ってきたの。そこにあるだけ全部』
「しかし何でまたバナナを?近藤さんにプレゼントですかィ?」
「総悟君、何で俺がバナナ好きみたいな設定になってんの?まぁ好きだけども」
『総悟、知らないの?』
そう言った妃咲は房からバナナを一本ちぎり、皮を剥いてもさもさ食べ始めた。
「デザートじゃないの?」
『これバナナダイエットなんですよ。知りません?』
「今、巷で流行ってるアレですかィ?」
『何だ総悟、知ってるんじゃない!最近どのスーパーでもバナナ売り切れで入手困難なんだから!わざわざ市場まで行ったのよ』
自慢気に語る妃咲は次のバナナに手を伸ばした。そしてマヨネーズのボトルの側面を押し、にゅるにゅるとたっぷりバナナにかけた。
「…えっと、妃咲ちゃん?」
『何でしょう?』
「バナナにマヨネーズ?」
『マヨネーズは何にでも合うんです!奇跡の調味料なんです!!』
「え、でもダイエッ…」
『あ、そうか!こんなに食べたらダメですね。これで最後にしよう』
うんうんと何か納得した様子の妃咲は、最後のバナナを旨そうに食べて茶を飲んだ。ふぅ、と満足げな妃咲を見て俺たちは思った。
痩せたいなら、とりあえずマヨネーズやめれば良くね?