女は美を求める生き物
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脱衣場や大浴場に誰もいないことを確認してから妃咲を中に入れてやり、隅の方にある体重計を使わせてやった。
『よかったぁー!さっき銭湯に行ったら、体重計が壊れたみたいで使えなかったんだ!そういえば最近体重計ってないな…って思ってたら気になっちゃって…』
「はははは、いいんだよ」
『…どうしたのトシくん、何でそんなに爽やかなの?』
さっき俺の脳内を支配していた汚い想像から何だか申し訳なく、尚且恥ずかしくなったので俺は若干挙動不審になっていた。普段はしないような爽やかな笑いに、妃咲は俺を不思議そうに見ていた。
「はははは、俺はいつも爽やかだろう?」
何を言っているんだ俺は。こんなのただの変な男じゃねーか!妃咲に引かれてしまったら俺は生きていけねェ。
内心ドキドキしながら妃咲を見れば、ぱあっと花が咲いたように笑っていた。
『…そうだね!ゴメンね、変なこと言っちゃって』
…何を言わせてんだ俺はァァァ!しゅんとした妃咲は俺に謝り、冷静になった俺が「いや、いい」というとまた嬉しそうに微笑んでいた。
『…トシくん』
「何だ?」
『ちょ、あっち行ってて?』
妃咲が体重を計ろうとして体重計の正面に立ち、俺がその様子を眺めていると、妃咲は俺にそう言った。やっぱり嫌われたんだろうか?かなりショックを受けながら呆然としていたら、妃咲は俺の様子に気付いたのか慌てて弁解した。
『ト、トシくんが嫌とかそーいうんじゃなくて!その……体重、見られたくないでしょ?』
だから…と妃咲はまた申し訳なさそうな顔をした。そんな妃咲の頭をくしゃりと撫でて「気ィ利かなくて、ごめんな」と言うと、妃咲は『そんなことないよ!トシくんはいっつも優しいもん!』と叫んだ。その後恥ずかしくなったのか、くるりと向きを変えて体重計の前に戻った。
俺は体重計が見えないようにそっぽを向き、妃咲が体重を計り終えるのを待った。
しかしいつまで経っても妃咲に動きがなく、何をやっているんだろうかとチラリと妃咲の方を見れば、体重計に乗ったまま目を見開いて固まっていた。
「…妃咲……?」
『き、きゃああああああー!』
恐る恐る声をかけると、妃咲はデカイ声で叫んで脱衣場を飛び出していってしまった。取り残された俺はポカンとその場に立ち尽くした。