交通ルールを守ろう
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『駿ちゃーん、これで最後?』
「はい、ラストです!」
最後ののぼりを立て、風で倒れないようにしっかりとひもで結んで、ふぅと息をつきながらパトカーの後部座席に座った。
「すいません、妃咲隊長。手伝ってもらっちゃって」
「隊長は休憩時間だったってのに…」
『気にしないで!どうせ暇だったし!!』
眉尻をさげて申し訳なさそうに謝る駿ちゃんとまーくんに笑顔で返した後、さっきまで町中いたるところに立ててきたのぼりについて聞いた。
『ねぇ、それより“秋の交通安全運動”って何するの?交通違反の取り締まり?』
「そうなんですけど、普段より違反者の見廻りを厳しくするみたいですよ」
「交通安全は大江戸警察に任せて、俺たちは攘夷浪士捕まえた方がいいと思うんですがね…」
『はは、確かに!』
他愛ない話をしているとすぐ屯所に到着し、パトカーを車庫に入れてくると言う2人と別れて中に入った。
お昼ご飯を食べようと食堂に向かう途中で、中庭でなぜか金属バットで素振りをする総悟がいた。いや、あれは素振りと言うよりただ振り回しているのに近い。
華麗にジャンプして、「総悟トルネードサンダー!」と叫びながら全身を使って金属バットが振り下ろされた先を見ると、そこにはトシくんの姿。私は驚いて『ええええ!』と叫んでしまった。
「お前の攻撃パターンは読めてんだよォォォ!」
ものすごく驚いた私とは対照的に、総悟の攻撃を予想していたトシくんはひらりと身を翻して総悟の攻撃を避け、総悟の頭をべしっと叩いた。総悟は「いてっ」と言いながら倒れた。何せ全体重をかけて飛び込んだもんだから、バランスを崩した総悟は廊下から庭に落下した。
さっきまでトシくんがいた場所は、総悟トルネードサンダーによって大破していた。
『ちょ、何やってんのォォ!?』
「妃咲、帰ってたのか」
『あ、ついさっき…じゃなくて!総悟!総悟のせいで廊下ボロボロじゃん!』
何事もなかったかのように話しかけるトシくんにはちゃんと返事をしたけど、すぐ我に返った私は壊れた廊下を指差して叫んだ。するとムクリと起き上がった総悟は、しゃあしゃあと言い訳をしはじめた。
「妃咲、今は秋の交通安全運動ですよねィ?」
『え、そうだけど…』
「だから罪を犯したものを厳しく取り締まるんでさァ。ちなみに土方さんは存在罪」
『厳しい方向が違うぅぅぅ!確かに厳しく取り締まるんだけどそういう厳しさじゃなくて見廻りを強化するという厳しさであって……あれ?何かワケわかんなくなってきた』
「しかも存在罪ってなんだ!存在することが罪ってことか!?」
「わかってるんじゃねーですか。ということで逮捕、死刑でさァ」
「早い!死刑の決断までがものすごく早い!」
『やめてェェトシくんを殺さないでェェェ!』
そうやって廊下(半壊)でギャーギャー騒いでいたら、その横の障子がスパンと開き勲さんが顔を出した。
「うるさいよお前たち!廊下では静かにしなさいって学校で習わなかったの!?」
勲さんの突然の登場に、総悟はトシくんの髪の毛を引っ張り、トシくんは総悟の頬を引っ張り、私は総悟をトシくんから引き剥がそうと必死になって隊服を引っ張っている、という体勢で固まった。
そして半壊の廊下を見られた私たちは(壊したのは総悟なのに!)勲さんの鉄拳を受けて、頭のてっぺんに1つずつたんこぶを作った。
17*交通ルールを守ろう