受け継がれる想い
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『よ、よーし…!』
私は屯所の倉から薙刀などの武器を色々取り出して、完全に武装した。頭にはハチマキ、隊服の上着を脱いで腰に巻いた。いつ敵が来ても大丈夫なように!
屯所の裏口と正面の入り口を封鎖し、私は中庭に仁王立ちしていた。来るなら来い、攘夷浪士め!
最初はちょっと物音がしただけでビクビクしていた私だったけど、だんだん慣れてきてちょっとやそっとじゃビビらなくなってきた。
食堂の冷蔵庫から飲み物や食べ物をちょっと拝借して、お花見の時に使ったゴザを敷いて薙刀を抱えたまま食料を補給した。
何だかひとりで遠足に来たみたいな気分になり、ちょっと楽しくなってきて鼻唄まで歌い始めた。
『ふんふーん♪』
「…敵襲!」
『ぶべらぁっ!え、てってっ敵、てきしゅ…』
「ぷっ、バーカ。ビビってんじゃねーよ」
突然の敵襲発言に驚いて、抱えていた薙刀を何度も掴み損ねながらも構え、振り返るとそこにはトシくんがいた。手には私が渡したトルコキキョウ。
『トシくん、どーして…』
「俺にはミツバよりも、どうしても会いたい女がいたんでな…戻ってきた」
『トシ、くん…』
そう言って微笑んだトシくんは、私の手を取って歩き始めた。
『どこに…』
「黙ってついてこい」
『でも、屯所が!』
「門閉めときゃ大丈夫だ」
いーから来い。と言われ、私はなすすべもなくトシくんについていった。