タイミングは大事
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飲みの方もだいぶ進んで、つぶれる奴がチラホラ現れ始めた。その中で総悟と近藤さんもつぶれたので、俺は2人を引きずって自室の布団まで運んでやった。宴会場に戻ると、なんと野郎共が全員イビキをかいて寝ているではないか。コイツら全員を運ぶのは無理だと判断した俺は、電気を消して障子を閉めた。そう言えば部屋の中に妃咲がいなかった…どこ行ったんだ?
ふと食堂の方を見ると窓から明かりが漏れていて、誰かが消し忘れたのかと思いそこへ向かった。
「妃咲、」
『あ、トシくん!』
ガラッと戸を開けると食堂にいたのは妃咲で、着物の袖を捲って洗い物をしていた。
「何でお前が洗ってんだ?明日来る女中に任せりゃよかったのに」
『だって私のための宴会だったし…朝から女中さんの仕事増やしちゃ可哀想でしょ?』
そう言ってコップや皿を洗ってく妃咲を見て、やっぱり妃咲はいい女だと思った。今までずっと膨大な量の食器を洗っていたのだろう…手が真っ赤になっている妃咲からスポンジを取り上げ、汚れた皿を洗った。俺のその行動を見て、妃咲はポカンとしていた。
「こんな冷てェ水で食器洗ってたら、手ェ荒れるぞ」
その言葉を聞いて、やっと俺の行動を理解したのか嬉しそうに微笑んだ妃咲は、最高に可愛かった。
『ありがとう、優しいんだね』
「今日の主役は妃咲だしな」
『えへへ、照れるー』
「本当かよ…」
妃咲と談笑しながらの洗い物はすぐに片付き(俺が来たときには既にほとんどが洗われてたから)、妃咲と一緒にいれる口実がなくなった俺は何となく寂しくなった。