故き恋と現の愛
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近藤さんから妃咲の体調が良くないのを聞いて、俺は心配になって様子を見に行った。そしたら思ってた以上に妃咲は元気がなくて、声をかけたら急に必死な顔で俺にすがってきた。
妃咲に質問をされたが俺は何故それを聞かれているのかが分からず、すぐに答えることが出来なかった。そうしたら妃咲は突然屯所を飛び出し、俺は妃咲を止めることが出来なかった。
「何だったんだ…?」
疑問を抱えながら玄関に行くと、そこには妃咲の下駄がきちんと揃えて置いてあった。アイツ、裸足で飛び出してったのか…!?
心配になりながらも理由が分からねェことにはどうしようもない。俺は近藤さんなら何か知ってるんじゃないかと思い、部屋に向かった。
障子を挟んだ廊下から声をかけようと思ったが、中から話し声が聞こえたので少し待つことにした。
別に盗み聞きしようとしたわけじゃねェが、聞こえてきた会話は妃咲についてのことだった。
「さっき妃咲が廊下走ってんのを見やしたが、泣いてやしたぜ」
「えぇ!?何でだ!」
「こっちが聞きてェや…近藤さん、またアンタ何か余計なこと言ったんじゃ…」
「またって何だよ、またって!別に何も言ってねーと思うけど…」
「直前まで話してたの、近藤さんでしょう?何の話してたんでィ?」
「何の話って…ただ武州にいたころの思い出話を。アルバム見ながら」
「アルバム…これですかィ?……………まさか近藤さん、姉上のことについて変なこと喋ったんじゃ…」
「変なことなんて言ってねーよ!ただトシとミツバ殿の関係について…」
そこまで聞いてやっと分かった、妃咲はきっと、ミツバの話を聞いて嫌な気持ちになったんだ。
確かに俺だって、もう関係ないと言えど妃咲の過去の恋についてなんて聞きたくねェ。
しかし、不謹慎だとは分かっているが…妃咲が俺に対してヤキモチを妬いてくれたのが嬉しくて仕方ない。いつも俺ばっかり妬いてるから。
「そりゃいけねェよ、近藤さん。アンタだって姐さんの過去の恋なんて聞きたかねェだろィ?あーあ、土方さんキレるだろうなー」
「あっ、そうか…!あわばばばどうしよう、トシに知られたら……」
「もう聞いてらァ…」
スッと障子を開けて部屋に入ると、近藤さんは「ひぃぃトシィィィ!!」と叫んで怯えていた。総悟はいつものように、第3者気取りでニヤついていた。
「余計なこと言ってくれたな、近藤さんよォ…?」
「ひい!ゴゴゴゴメントシ!で、でも事実じゃん?」
「事実だろうと何だろうと…」
ここで俺は右手で近藤さんの胸ぐらを掴み、左手で腕を握った。そして体を反転させ、思いっきり右腕を振り抜いた。
「言っていいことと悪いことがあるだろうがァァァ!」
「ぎゃあああああ!」
「おぉ、綺麗な一本背負い」
ドシーン!と盛大な音を立てて畳みに投げつけられた近藤さんを放置して、俺は外に飛び出した。