故き恋と現の愛
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私の思い違いかもしれない、けど…写真の中で柔らかく微笑む女性は、どれもトシくんの横にいた。
『そ、総悟に…お姉さんいたんですね』
「あぁ、知らなかったっけ?」
その女性…ミツバさんは総悟と同じ栗色の髪に真っ白な肌、学校に1人はいるマドンナ的存在な女子みたいにモテそうな感じだ。私とは正反対、とても笑顔が素敵な女性だった。
大体私、総悟にお姉さんがいること自体知らなかった。勲さんの質問に苦笑いで答えることしか出来なかった私は、胸に黒くてモヤモヤしたものを抱えていた。
「綺麗な女性だろう?武州でも評判だったんだぜ、両親を亡くした総悟の世話を焼いて……」
『そう、なんですか…』
よく考えてみたら、私は勲さんやトシくんや総悟の家族構成から過去から何も知らない。
何か、寂しい…かも。ミツバさんを羨ましがるのは筋違いだって分かってるけど、やっぱり私だけ仲間外れにされてるみたいで疎外感を感じた。
「いくらいい縁談があっても断っていたんだよ。まぁ最終的には婚約したんだけどな」
『へぇ…』
「その理由ってのがさァ…」
…嫌だ、聞きたくない!
楽しそうに話す勲さんとは対照的に、私はずっと苦笑いを顔に貼りつけていた。
「ミツバ殿、トシに惚れてたんだよなァ~」
どくん
胸が締め付けられるような感覚に陥った。やっぱりそうだったんだ…何となくの予感が当たった。別に関係ないとは思うけど…でもやっぱり、彼氏を好きだった人って………って、アレ?トシくんって、私の彼氏…だよね?急に襲ってきた不安と戦いながらも、私は貼りつけた苦笑いが崩れないように必死だった。