涼を求めて三千里
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総悟はとんでもない提案をした後、俺の方をチラリと見てニヤリと笑った。
コ、コイツ絶対確信犯だぞ!妃咲の中で俺のランク的なものを下げようとしてやがる!くそ、憎たらしいことこの上ない…暑さのあまり吹き出した汗に混ざり、冷や汗が流れた。
いーかもなそれ、とバカな同意を示す近藤さんに対して、何と説得して諦めさせようかを考えていると、ホワイトボードの前に立っていた妃咲が俺の隣に座り、ウチワを持っていない方の手で俺の手を握った。
「妃咲…?」
その時、俺の心臓はあり得ねェくらい速く鼓動していた。いや、別に妃咲の手を握るのは初めてじゃねェ……けど、こーゆーのにはいつまでも慣れねェ自信がある。しかもアレだ、今俺の手は汗でベトベト。恥ずかしいけど離したくなくて、矛盾する感情に葛藤を繰り返していると、妃咲は小さな声でポツリと呟いた。
『……怪談…するのかな?』
「へ?…あ、妃咲、もしかして怖いのか?」
俺がそう尋ねると、図星だったのだろう…パッと上げた妃咲の顔は、微妙に赤くなっていた。
『そ、そんなことないけどぉ~』
「嘘つけ、ビビってんだろ」
『こ、怖くなんかない!』
「そーか、妃咲が言えば総悟や近藤さんも諦めると思うがな」
それを聞いた妃咲は、怪談にしようかと盛り上がっていた2人の間に割り込んで『もっと別のにしましょう!』と説得していた。……よし、助かった。
「じゃー何にしやすか?」
「そーだ、かき氷とか食べようぜ!確か倉にあっただろ、氷削るやつ」
『わぉ!かき氷大会!』
「屯所でやんのか?んなことしたら隊士全員分用意しなきゃいけなくなるぜ」
「あ~…氷が足りないな」
「食べに行きやしょうぜィ、たまには休息も必要でしょう」
「お前は年中常休じゃねーか」
とは言いつつかき氷とは魅力的で、屯所中いたるところに倒れている隊士たちに「見廻りに行ってくる」と声をかけて(自分たちが出歩きたくないため、声かけた全員が笑顔で俺たちを送り出しやがった)甘味処に向かった。