涼を求めて三千里
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会議室に移動した私たちは、各自手にウチワを持って話し合いを始めた。
「納涼っつってもよォ、このハンパねー暑さはどうしようもねェような気がするんだが…」
「土方さん、とりあえずそのウチワで俺を扇げば俺の暑さは幾分癒えまさァ」
「誰がお前なんか扇ぐか。俺が扇いでやんのは妃咲だけだって決まってんだバーカ」
『え、トシくん…!』
「妃咲…!」
「…あの、暑さが増すのでそーゆーのはどっか他所でやってもらえやせんかね」
いけないいけない、会議のことを忘れて完全に2人の世界に入りかけていたわ。今、絶対トシくん正常な思考回路じゃないよね…暑さでやられた?いや、でも普通に嬉しかった。愛されてるなぁ、私…!
マーカーのキャップを抜き、前にあるホワイトボードに【暑さを緩和させるには】とデカデカと書いた。
「そもそも、この隊服が暑苦しいんでさァ。黒だし、長袖だし」
「太陽の光を一身に受けるもんなァ。とっつぁんに相談してみっか、隊服の半袖バージョン作ってくれって」
『いいですね、それ!デザインとかも考えちゃいましょうよ』
「デザインなら任せなせェ!妃咲、ちょっとペン貸して」
マーカーを総悟に手渡すと、総悟はホワイトボードに人間らしきものを描いた。
『ぶっ、総悟ヘタクソー』
「足とかのバランスおかしくね?つーか人間じゃないだろそれ、天人?えいりあん?」
「…人にそんだけ言うなら、近藤さんと妃咲も描いてみなせェよ。どーせヘタクソのくせに!」
『総悟よりはマシだよ!』
そう言って3人でキャイキャイやってたら、それまで無言だったトシくんが気だるげに口を開いた。
「…今から頼んだって、出来上がる頃にはもう空調の機械直ってると思うぞ」
「…あ」
『本当だね…』
お絵描き大会で若干テンションが上がっていた私たちは急におとなしくなり、2人はそれぞれの座布団に戻った。私は前でホワイトボードに何の意味もない猫の絵を描いた。
「何かあるか、今すぐ涼しくなれる案」
「そーだな…」
『何かあるかな~…』
「ここはベタに怪談なんてどーでしょう?」
「『か、怪談?』」