聞きたい言葉は
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「…フゥ、次はあんたの番だぜ。抑生殿」
斬りかかってくるしたっぱ達を大方片付けて、抑生の方へ振り向いた。奴は俺たちの力を見くびっていたらしく、顔をひきつらせていた。
「あ、あなたたちは自分が何をしてるか分かってるのか!?私は幕府の…」
「へっ、そんなの今更じゃねーですかィ」
ジリ、と奴との間合いを詰めていく総悟は、何ともサディスティックな笑みを浮かべた。
「それになァ、抑生殿…もうそろそろ…」
「何…」
「局長ォォォ!!」
「おっ、来たか!」
「遅ェんだよ…」
叫び声のした方に目を向けると、山崎が手に持った書類らしきものをブンブン振り回していた。
「見付けました!抑生家の武器の不正取引の証拠です!!」
「なっ…!」
「悪ィな、抑生殿。俺たちは剣の腕だけじゃなく、優秀な監察もいるんだよ」
「そーゆうことだ。ウチの零番隊隊長…返してもらうぜ?」
「歯ァ食いしばりなせェ…」
総悟は強く地面を蹴り、物凄いスピードで奴の懐に入って顎を突き上げた。
「ぐはぁ!」
綺麗に弧を描いて飛んでった抑生。ソイツはとりあえず総悟に任せとけばいいと思い、妃咲のいる塔の方へ向き直って叫んだ。
「妃咲!聞こえてるか!?」
窓らしき箇所からゆっくりと姿を現した妃咲は、声こそ出さなかったが大きく頷いた。
「悪ィな、ウチの隊長を犯罪者の嫁さんにする訳にはいかねェ!だからこの結婚、全力で邪魔するぞ!文句ねェな!?」
『…う、んっ……!』
妃咲が大きい声で叫ばなかったので聞き取りにくかったが、妃咲は確実に肯定した。
その一言が欲しかった…妃咲の同意さえあれば、心置きなく奴をぶん殴れる。
「土方さん、トドメの一発…差し上げまさァ」
「…ありがとよ、」
地面に倒れていた抑生はボロボロになっていたが、一発殴らにゃ俺の気が済まねェ。
抑生は最後の力を振り絞って立ち上がり、情けない声をあげて逃げ出した。コイツはバカか、俺が見逃す訳ねェだろ。
「俺を誰だと思ってんだ?」
「ひ、ひィ…!」
走っている奴の正面に回り込み、ニヤリと笑って木刀を構えた。
「俺は真選組副長…土方十四郎だ!……よーく覚えときやがれェェェ!!!!」