聞きたい言葉は
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ジャリ、と庭に敷き詰められた石を踏みしめながら近藤さんたちの所へ戻れば、2人とも頭から血を流しながら立っていた。
「ったく、派手にやられてんな」
「…うるせェ土方。これはさっき、通りすがりの海賊にゴムゴムの銃を食らっただけでィ」
「お前どこ行ってたんだ?」
「トシ、ちなみに俺は通りすがりの真っ赤な頭した男にバスケットボールぶつけられただけだからな」
「だからお前ら、俺がいない間どこにいたんだよォォ!!」
「あなただって、どこに行ってたんですか…土方副長?」
ニヤリと笑いながら近付いてくる抑生を見れば、血どころか傷ひとつ負っちゃいねェ。どうやらコイツはケンカに参加してねェらしいな…。
「お前こそなんだ、愛しい女をめぐるケンカに参加してないたァ…どんな神経してやがるんだ?」
フン、と笑って言ってやれば、抑生はピクと眉を動かして若干目を細めた。
「どうやら…勝手に会いに行ったようですね」
「悪ィかよ。お前曰く、俺ァ妃咲に捨てられた男らしいからな。その理由くらい聞きに行ったって…バチは当たんねェだろ?」
懐をゴソゴソ漁り、取り出したタバコにゆっくりと火をつけて口にくわえた。
「お前、随分と卑怯なマネしてくれたじゃねェか…」
「トシ!やっぱり妃咲ちゃんは…」
「アァ…やっぱりこの結婚、妃咲が自ら望んだことじゃないようだぜ」
「そうと聞けば話が早ェや」
着物の袖で乱暴に額の血を拭った総悟は、勝ち誇ったような笑みを浮かべていた。
「これで容赦なく、コイツをぶん殴れるんですよねィ?」
「…そういうことだ」
「やれやれ、いくつになっても喧嘩っ早い奴等だな…」
俺はフゥと煙をはき、ついでにタバコもプッと吐き捨てた。そして左手に持っていた木刀の切っ先を奴に向け、こう言い放った。
「さて、殴られる覚悟は出来てるよな……抑生殿?」
10*聞きたい言葉は