奪われた太陽
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「は?何でだよ」
『分かんないけどさぁ~…長官直々の命令だもん。何か重大なことなんだよ』
天気のいい日の朝、俺たちは妃咲の部屋でゆっくりと茶を飲んでのんびりしていた。…はずだったのに!妃咲の一言によって、俺はなぜかかなりの胸騒ぎを感じた。
「しかしお前、何でまた妃咲が?近藤さんならまだしも…」
『知らな~い…あーあ、嫌だなぁ。怒られるのかなぁ?』
その発言というのは、妃咲がこの間近藤さんたちと護衛をした「抑生家」の人間から呼び出しを食らった、というものだった。
何か失態を犯してしまったのか、と妃咲は机に突っ伏してウダウダ言っていたが、俺の胸騒ぎはそんな感じじゃない。もっと何かこう、虚無感っつーか…喪失感みたいなものであるような気がする。
『…んぁ、そろそろ長官が迎えに来る時間だ』
そう言った妃咲は、ゆっくりと体を起こして立ち上がった。側に置いておいた刀を腰に差し、肩を回しながら障子の方に向かっていった。その後ろ姿を見ていたら、何だか無性に引き留めなけりゃいけねェような気がした。
「妃咲っ…!」
『なーに?』
障子に手を掛けて振り向いた妃咲は、突然に俺が声をかけたのが予想外だったのか少し驚いた表情をしていた。
「早く、帰れよ…?」
『…はい、副長!』
そう言った妃咲のまぶしい笑顔が、数時間後には泣き顔に変わってしまうなんて…誰が予想出来ただろうか?
8*奪われた太陽