任務を遂行せよ
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
近藤さんが捕まっていそうな部屋を探していったが、ゴリラの皮を被った近藤さんの姿は見つけられなかった。
『もう!どこにいるのよ!!』
妃咲がそう文句を言いながら目の前の襖をスパンと開けたら、首輪を着けた近藤さんが娘に紐で繋がれていた。
「み、みんなァァ!!」
『…勲さんンンン!?』
「何のプレイ!?」
「何なんですか、アナタたち」
『私たちは…』
妃咲がやりたいオーラをバリバリに出してくるので、さっきの決めポーズをもう一度やった。娘が無反応だったので、恥ずかしさが倍増した。
「黙ってそこのゴリラを返せ」
「嫌です」
「このギンギラギンの奴と交換しやしょう」
「おいいいいい!それは俺のことかァァ!!?」
『そうか、物々交換すればいいんだ…みんな所持品出して』
娘に『ちょっとタイム!』と叫んだ妃咲に召集され、輪を作った全員がゴソゴソと懐を探った。
「俺ァ割れた鏡くらいだ…」
「俺は臭い花とバズーカと手裏剣でさァ」
「俺は暗黒物質と豆腐です」
『何ソレ!私は…輪ゴムと軍手』
「オイオイ何も交換できそうなものがねェぞ」
「とりあえず俺、暗黒物質あげてきますよ」
「待てェェ!何でよりによってそのチョイスゥゥゥ!!?」
何を思ったか自信のありそうな顔をした山崎は、スキップしながら「娘さ~ん」と近付いていった。
「ねェ、これとそのゴリラを交換ぶべら!…ギャアァァ!顔が、顔が焼けるゥゥ!!」
にこやかに娘に暗黒物質の乗った皿を差し出した山崎だったが、ドパンと皿を顔にぶちまけられ、のたうちまわりながら戻ってきた。
「俺に任せなせェ!」
フンッと鼻を鳴らして娘に近付いた総悟は、花を差し出すかと思いきや手裏剣を差し出した。意味が分かんねェ!
「娘さん娘さん、これとそこのゴリギャアアアアア!!!」
そっと手裏剣を渡した総悟だったが、娘は無言でそれを総悟に投げ返した。ギリギリでそれをかわした総悟は、目を見開いて娘を凝視した。
『仕方ないわね、ここは私が…』
「ちょっと待て、お前輪ゴムと軍手しか持ってねェだろ!!」
『大丈夫だって、私は女心を分かってるから!』
コイツら全員、何でこんなに自信満々なんだ?理解に苦しむ。
『娘さん、この輪ゴムとゴリラ…交換しない?』
「輪ゴム…?」
おいいいいい!何であの娘、ちょっと気持ちが揺らいでんだ!?何だ、今って輪ゴム流行ってんのかァァ!!?
「ど、どうしよう…」
『ん~…じゃあこの軍手もあげちゃおうかな~?』
「軍手も!?」
何なんだよコレェェ!!今時の娘の嗜好がサッパリわかんねェ!
その後、娘は納得したらしく近藤さんを妃咲に引き渡していた。つーか輪ゴムと軍手と同価値の近藤さんって一体…。
屋敷から脱出した俺たちは近藤さんの首輪を外し、5人並んで屯所に戻った。
「いやぁ、散々な目にあった!」
『ホント、大変でしたね~』
「もう疲れたぜ…」
「でも近藤さんが無事で何よりでさァ」
「本当ですね、早く帰って慰労会でもしましょうよ」
「お、いいなソレ!」
『ケーキとか買って帰りましょうか!』
ワイワイ騒いでるのは結構なことだが…俺はひとつ疑問を抱えていた。
何であの屋敷に忍び込んだんだっけ?
…まぁ、どうでもいいか。
連載第7話。
結局目的を忘れてしまったアホな子達…。
2008.6.8 愛紗