任務を遂行せよ
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『よっ、と…』
只今夜の9時、私たちはいよいよ隠密活動を始めた。まずはザキくんが忍び込む見本を見せてくれて、それに続いて1人ずつ屋根裏に侵入した。
「大丈夫か?」
『う、うんっ!ありがとう』
私がぎこちない動きで屋根裏に入ろうとすると、先に入っていたトシくんが手を貸してくれた。トシくんのこういう優しさが大好き!…ってこんなこと言ってる場合じゃなくてェェ!!
いけない、いけない。今は隠密モードをオンにしないと!
「みなさん見てください」
ザキくんの声に反応して、みんなでそちらに移動した。花柄の忍者服は、総悟に妙に似合っていた。
「アレです、アレ。今回のターゲットの闇商人」
天井板を一枚はずし、そこからみんなで覗き込むと、下に明らかに悪者な感じのおじさんと取り巻きがいた。
「武器の密売やってる奴だな」
『それで、今からどーするの?』
「とりあえず現場を押さえましょう。まだ明確な証拠があるわけじゃないんで」
了解、と返事をした私だったが…何とも不吉な音を聞いてしまった。
『ザ、ザキくん…』
「どうしたの、妃咲ちゃん?」
『今、何だか不吉な音が聞こえたような気がする…』
「不吉な音…?」
「何の音だ?」
『……ホラッまた聞こえた!』
「何……あ、聞こえたぜィ」
「オイオイ、もしかしてコレ…」
「え、何…ってギャアァアァ!!」
そう。不吉な音というのは乗っている天井板の軋む音で、私たち5人の体重を支えきれなかった板は大破し、私たちは標的の前にドスンと落下した。
『あいてててて…』
「妃咲っ!大丈夫か!?」
『うん、大丈…』
お尻を擦りながらパッと顔をあげると、目の前にはたくさんの人が集まっていた。
「く、くせ者だァァ!!!!」
「オイッ、早くもバレたぞ!」
「とりあえず逃げやしょう!」
『御意!』
私たちはドタバタと駆け出したが、何かが足りない気がする…何だろう?
チラリとトシくんの方を見ると、たぶん同じことを考えているのだろう…キョロキョロしながら走っていた。
「…近藤さんは?」
「あり?…いやせんねィ」
『一体どこに…』
「あ!あそこに!」
後ろから追っ手が「待てコルァアァ!!」と迫ってきていたので足を止める訳にもいかず、ザキくんの声に走りながら振り返れば…倒れて動かない勲さんを囲む悪者たちが見えた。
『勲さんんんん!』
「諦めろ妃咲、昔近藤さんが…俺が敵に捕まるようなことがあったら、構わず逃げろと。言ってたような気がしないでもねェ」
『んなアバウトな!』
「しかしこの状況では助けられんぞ!」
「とりあえず身の安全を確保してから助けにいきましょう。さすがに殺されはせんでしょう」
『勲さんんんんん!』
「何だこれ、ゴリラか?」
「何でゴリラが隠密たちと一緒に降ってきたんだ?」
「え、これゴリラ?じゃあ捕まえといて。娘へのプレゼントにするから」
「え、ゴリラをですか?」
「前々から欲しいって言われてたんだよな~」
7*任務を遂行せよ