仮装警察、出動!
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「みんな、気ィ引き締めろよ!」
「『オゥ!!』」
「ちょっと待てェェ!!!」
時は進んで現在夜9時。フンドシ仮面が最も出没しやすい時間帯だ。この時間に網を張るのはいい……でもコイツらの格好はおかしいだろ!
『何よ、トシくん?』
「妃咲はいい、問題は…」
頭にハチマキを巻き、着物の裾をタスキでとめている妃咲はいい…手の木刀は物騒だが。
問題はこの2人、特に総悟。コイツは一体何がしたいんだ?
「何だよトシィ!その格好」
「近藤さんこそ何でヨレヨレのスーツにコート着てんだ?今夜は蒸すぜ、暑いぞ」
「いやあ、刑事といえばこの格好だろう!あ、しまった帽子忘れてた」
『ハイ、勲さ…あ、銭形警部!』
「うわわ、固有名詞出たよ」
「それより土方さん…やる気あるんですかィ?隊服なんて着て」
「何で隊服でやる気が疑われるんだ、っつーかお前のやる気の方が心配だわァァ!!」
総悟はなぜか黒縁メガネを掛けて、青いジャケットに赤い蝶ネクタイ…そして短パンにスニーカーという格好で腕組みをしていた。誰かコイツの脳解剖して、思考回路を解き明かしてほしいもんだ。
「見た目は子供、頭脳は大人!迷宮無しの名探偵、その名は…名探偵ソウゴ!!」
「意味わかんねェェ!!!」
「土方さんの衣装も用意してありまさァ。ささっ、着替えて下せェ」
「何で着替える必要があるの!?」
そう言って総悟が手渡した衣装を広げると、なぜか真っ黒の全身タイツだった。
「土方さんは犯人役でさァ」
「何でだよォォ!!犯人はフンドシ仮面だろうがァアァ!!!」
『ちょ、トシくんそれ着ないでね?笑い死にしそう』
「絶対着ないから安心しろ」
ハァとため息をついて、衣装と言うより仮装大会状態の3人(2人?)が身を寄せ合う茂みに俺も一緒に隠れた。
『それにしても、今夜来るんですかねェ?』
「きっと来るさ、フンドシ仮面は娘の質を重視してるからな」
「にしても、屯所まで入ってくるたァ…奴もやりますねィ」
「ところでよォ、お前ら刀はどうしたんだよ?妃咲は木刀持ってるけど」
そう、なぜか近藤さんと総悟は刀を部屋に置いてきていた。どうやって犯人を捕まえる気なんだ、コイツら。
「トシ、相手は攘夷浪士じゃねェんだし物騒なこと言うな」
「そうでさァ、誰でも斬りゃいいってもんじゃねェですぜ」
『じゃあどうやって捕まえるんですか?さすがに手ぶらは…』
「あぁ、大丈夫だよ」
「心配いりやせんぜィ」
そう言って近藤さんと総悟は懐をゴソゴソし始めた。何だ?何か武器でも持ってんのか?
「この手榴弾さえあれば…「待てェェ!!」
近藤さんが満面の笑みで取り出したのは、ジャスタウェイを小さくした感じの手榴弾だった。何が大丈夫なんだ!!
「刀よりそっちの方が物騒じゃねェかァァ!!」
『あわわ、しかもそんなにいっぱい…』
「一応、念を入れてな」
「入れすぎィィ!!!」
「俺の武器はコレでさァ!」
じゃーん!と総悟が取り出したのは腕時計。それを手首につけながら説明を始めた。
「これは腕時計型麻酔銃。コレで近藤さんを眠らせて、推理ショーをやるんでさァ」
「犯人はもう分かってんだよ!バカか、お前はバカかァ!!」
「大丈夫でさァ土方さん、これもありやすぜ…アンパン。腹が減ったとき用の」
「何が大丈夫なんだ?お前が大丈夫か?今、武器の話してんだろ」
「じゃあ…このスニーカーはキック力増強シューズ。コレで犯人の股間を蹴り上げて…」
「今までで最も危険じゃねーか!もう帰れェェ!!」
『とう!』
「え?」
しばらく黙っていた妃咲の声がしたかと思えば、オトリの下着が干してある方で木刀を振り回していた。何やってんだ?
『大人しくしなさい!』
「え、妃咲…?」
『…あ、みんな!下着泥棒捕まえたよォォ!!』
嬉しそうにそう叫ぶ妃咲を見て俺は思った……俺たち今回何もやってねェェ!!!
「真実はいつもひとつ!」
「総悟ォ!てめっ、自分が解決したようなセリフでまとめんのやめろ!!」
「アイツはとんでもないものを盗んでいきました…貴方の心です」
「近藤さんまでェェ!!!」
連載第五話。
総悟のキャラがおかしい…!
2008.5.24 愛紗