女達の仁義なき戦い
夢小説設定
ご利用の端末、あるいはブラウザ設定では夢小説機能をご利用になることができません。
古いスマートフォン端末や、一部ブラウザのプライベートブラウジング機能をご利用の際は、機能に制限が掛かることがございます。
『トシくん、ファンクラブあったんだ』
先程ようやく仕事を終えたらしい総悟も加え、3人でちょっと遅めの晩御飯を食べていた。意を決してさっき《土方組》なる集団に言われたことを聞いてみた。
「別にファンクラブってほど大層なものじゃねーよ」
「ただ一方的に土方を見守ってる集団でさァ」
「オイ流れに乗ってさりげなく呼び捨てしてんじゃねーぞコルァ」
にゅるにゅるとマヨネーズを焼き魚にかけながら(もう魚の姿は見えない)答えるトシくんと嫌いなニンジンを私のお皿に移す総悟の何でもないような答え方に少々苛立ちを感じながらも、ニンジンを頬張りながら更に問いかけた。
『私全然知らなかったよ!何で教えてくれなかったのよ~』
「最近は目立った活動してねーみたいだったからねィ」
「わざわざ妃咲に話して、余計な心配かけることねーだろ」
『だからって…』
むう、と箸をくわえたまま黙り込んでいたら、ニンジンを全て避け終えたのか自分の食事を開始した総悟が口を開いた。
「奴らが妃咲に危害を加えなきゃいーんですがねィ」
『危害?』
「恋する女は無敵ですからねィ。どんな手段を使ってでも妃咲と土方さんを別れさせようとするんじゃねーですか?」
そう言って総悟はチラとトシくんを見てニヤリと笑った。私もそちらを見ると、トシくんはパッと見てわかるほどぶるぶる震えており、左手に持ったお茶碗が手からこぼれそうになっていた。
『と、トシくん…?』
「そんなこと絶対させねー!!」
『わっ!』
トシくんがいきなり大声を出すもんだから、私も総悟もビックリして箸を落としそうになってしまった。隣に座っていたトシくんは箸とお茶碗をテーブルに置いて私の方に向かって座り直し、ぐっと私の手を握って言った。
「俺ァ絶対、妃咲に危害なんて加えさせねェし、別れる気も更々ねェから!」
『トシくん…!』
「妃咲…!」
嬉しい言葉に涙が出そうになるのをグッと堪えて手を握り返した。そうだよ、私は負けない!トシくんを好きな気持ちは、絶対誰にも負けないもん!!
少し呆れ顔の総悟と共に晩御飯を終え、私は銭湯に行ってから床についた。来るなら来い、返り討ちにしてやるぅぅ!!