お出掛けいたしましょう
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楽しくて時間が過ぎるのをあっという間に感じたのと、元々出た時間が遅かったということもあり、アイスを食べた後しばらく色んなお店を見てから帰ることになった。屯所を出てからもう5時間も経ってる。時間が経つのは早いなぁ…。
「晩飯いらねェって言って出ればよかったな」
『そうだね、そしたらもっとトシくんと2人でいられたのに…』
きっと屯所で女中さんたちがご飯を作って待っている。言って出なかった私たちが悪いのに女中さんに迷惑をかけるわけにもいかないので、晩御飯は食べずに帰ることにした。
『今日、すっごく楽しかった!』
「そうか、妃咲が楽しめてたならよかった」
『トシくんは楽しくなかった?』
「俺ァ妃咲が楽しかったなら楽しいんだ」
『何それズルい!そんなこと言ったら私だってトシくんが楽しくなきゃ楽しくないもん!』
「だから2人とも楽しかったってことでいいじゃねーか」
『…ふふ、そうだね!トシくん大好き!』
「なっ、何を急に言ってんだ!」
『急に言いたくなったのー!いいでしょ別に、私トシくんの彼女なんだから!』
「誰も悪ィなんて言ってねーよ!お、俺だって妃咲のこと大好きだ!」
『本当?ふふっ、幸せ!』
帰り道では尋ねることなく、当たり前のように繋がれた手を見て、自然と笑顔になった。トシくんも笑顔でいてくれて、本当に今日出掛けてられよかったと思った!
屯所が見えてきて、でも繋がれたままの手を眺めてニヤニヤしていた(暗かったのでトシくんに顔は見られなかった。よかった!)ら、目の前10メートルくらい先に数十人の人間が現れた。まさか攘夷浪士の集団…?!
トシくんは集団を睨み付けながら私をゆっくり自分の後ろに隠したけど、私はそれを拒んでトシくんの隣に並び、腰の刀に手をかけた。
「テメーら、何者だ…?」
いつも以上に鋭い目付きのトシくんはシャンと刀を抜いて構えた。私も刀を抜こうかと思ったが、集団からは武器を取り出す気配が窺えなかった。何なんだろう…。
トシくんが集団との距離をじり…と一歩縮めた瞬間、後ろから強い光があたり、同時に何とも間の抜けた声が聞こえた。
「あり、土方さんと妃咲?なーにやってんでィ」
振り返ると声の主はパトカーに乗った総悟で、車のライトによって露になった集団の顔を見てトシくんはいつもの2割増しくらい瞳孔が開いていた。
「お、お前らは…!」
<hr />連載第二十七話。
ギャグにするつもりが勝手に甘くなっちゃった…!軽く続き物です。
2009.6.23 春日愛紗