お出掛けいたしましょう
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『勲さん、零番隊市中見廻りから戻りました。異常なしです!』
「はい、ご苦労さん!」
午後の見廻りを終え、勲さんに異常なしの報告をして今日の仕事は完了した。見廻りのとき歩きながら話してたんだけど、駿ちゃんとまーくんはこれから刀を修理に出しに行くらしい。私は何も予定がなかったので、どうしたもんかと考えながら局長室を出ようとした…が、勲さんに呼び止められた。
「あ、妃咲ちゃん!」
『はい?』
「トシたちもそろそろ、見廻りから帰ってくる頃だよ」
『…はぁ』
「アイツ確か今日もう仕事ないはずだからさ、予定ないなら2人でどっか出掛けたら?」
『え!本当ですか!?片付けなきゃいけない書類とかも…』
「全部終わってるはずだ。昨日出しに来たし」
『本当ですか、ありがとうございます!!』
笑顔で手を振る勲さんにペコリと一礼して部屋を飛び出した。部屋に戻って着物に着替え、スキップ混じりで向かったのは屯所の玄関。ちょこんと体育座りをして、トシくんの帰りを今か今かと待ち構えていたら、ザキくんの運転するパトカーが門に横付けした。そこから降りてきたのは、待ちに待ったあの人。
『トシくん!お帰りなさい!!』
「妃咲か、ただいま」
「じゃあ副長、俺パトカーを車庫に戻してくるので」
「おぅ、お疲れ」
ブロロ…と走り去ったザキくんを見届けて、タバコをくわえたままゆっくりこちらに歩いてくるトシくんが待ちきれずに、下駄を履いてトシくんの所まで走った。
「どうした?」
突然近寄ってきた私の頭を優しく笑いながら撫でてくれて、その仕草だけでもうトキメキが溢れ出して抑えきれなかったが、私は頑張って尋ねた。
『あのねっ、トシくんって今日もう仕事ないんでしょ?』
「あぁ、書類も昨日全部出したしな」
ハァー…と長めなため息をついたトシくんを見て私はハッとした。そうだ、もしかしてトシくんは今日の仕事が終わった後、ゆっくり休むために昨日一生懸命書類を片付けたのかもしれない。そうだったら『遊びに行こう!』なんて誘えないよ!軽率だったよ、私!
今更気付いた事態にあわばばば…と焦っていたら、私のその姿をじっと見ていたトシくんはタバコを携帯灰皿に押し付けて消し、それを懐に戻して言った。
「い、今から…どっか行くか?その……2人で」
『え?』
予想外の言葉にポカンとトシくんの方を見れば、耳まで真っ赤にしたトシくんは「べべべ別に行きたくなかったらいいけどよ!」と明後日の方向を見て弁解していた。言われたことをようやく理解した私はトシくんに一言残し、弾かれたように部屋に戻った。
『き、着替えてくるっ!』
27*お出掛けいたしましょう