帰ってきた彼女
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「なァ山崎、妃咲…元気にしてっかな」
「妃咲ちゃんのことです、元気に決まってるじゃありませんか」
妃咲がいなくなってから早いもので1月が経ち、俺も徐々に立ち直り始めていた。##NAME1##がいねェからっていつまでも凹んでちゃいけねェ。こんなところ妃咲に見られたら笑われちまうから…強くならないといけねェ。
そうは言うものの…俺の妃咲に対する想いは相当強いものだったらしく、仕事を終えて部屋に戻ると毎日毎日携帯を開き、唯一保存されている写真を見つめる。
「妃咲ァ…無事に戻れたのか?ケガはどうなった?元気でやってんのか…?」
強くならにゃ…その思いとは裏腹に、俺は毎日涙を流す。妃咲を元の世界に帰さねェとと必死になっていた野郎の行動とは思えねェがな…もしもひとつだけ望みが叶うのなら、死ぬまでには妃咲の笑顔がもう一度見てェ。
携帯の画面の中で、微妙に緊張した顔をしてる俺の隣でニッコリ微笑んでいる妃咲の顔を見ていたら、何だか玄関の方がザワザワ騒がしくなってきた。何だ、何が起こったんだ?
「ふ、ふ…ふく、ちょォオォ!!」
「ウルセー山崎!!何事だ…」
足をもつれさせながら息を切らして廊下を走ってきた山崎はボロボロと涙を流して、大量の鼻水まで垂らしていた。
「お、おおおお客様です!!」
「客くらいでそんな慌てんなよ…ん、客って誰だ?」
「そ、それが…!」
障子に越しに客らしき奴の影が見えた。背丈からいって女…か子供か?
「だから誰…」
息が、止まるかと思った。
山崎の後ろからスッと姿を現したのは、俺がずっと待ち望んでいた女だった。
『トシくん、ただいま!』
「妃咲…何で……」
1*帰ってきた彼女
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