2.嫁入り前の娘だし
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こんにちは、日向妃咲です。
えーと、生まれて初めて警察?のお世話になってます。
「んで、名前は?」
『いや、さっきも言ったでしょ…日向妃咲ですってば』
パトカーから降りてきた土方歳三のそっくりさん(?)から、屯所で事情聴取を受けています。
さっきからチラチラ私の顔を見て頭をブンブン振ってる。何なんだ一体…。
「ところで、家事は出来るのか?」
『はぁ、まあそれなりに…って、何故!』
「ああ、まあアレだ、ノリだ」
そんなノリあってたまるかァアァァ!!!
タイムスリップしたと思ってたのに、どうやらここは江戸時代じゃないっぽい。
(さっきは何となく納得しちゃったけどさ、よく考えたらおかしいでしょ。
通行人はみんな着物なのにパトカーみたいな文明の利器が走ってるってのは!)
そうと分かれば、こんな訳の分かんない世界からは早く帰りたい。きっとおじいちゃん心配してるだろうし…。
『あの、あとどのくらい時間かかります?早く帰らなきゃ…てゆーか何で私が事情聴取されなきゃいけないのか全く理解できないんですが……』
「住所は?」
『無視か』
良いのは顔だけかコノヤロウ!バカにしやがって!
このまま相手のペースに乗せられてたら、いつまでも帰れなさそうだったから、息をスゥと吸い込んで一気にしゃべった。
『日向妃咲、私立銀崎女子高校3年5組、17歳。東京都練馬区で祖父と二人暮らししてます。両親はいません。紙、貸してください。詳しい住所と電話番号書きますから』
そこまで言うと、土方もどき
(あ、彼の名字も土方だからもどきではないのか…)
は、ポカーンとしてた。
やだ、せっかくのイケメンが台無しよ?
「…ぶはっ!」
『は?』
笑い声…?どこから?
「テメ、総悟!!そこにいるだろ、出てこい!」
「ちぇっ、バレちまったかァ…」
取調室のドアを開けて入ってきたのは、パトカーにいた栗色の髪の沖田総悟っていう名前の、これまたもどきなのかもどきじゃないのかよく分からん男。
「面白いお嬢さんでさァ」
『…別に嬉しくない』
「はは、土方さんの顔も面白いし」
「テメーウルセーんだよ!!!」
いや、まったく人間関係が把握できない…。
私が知ってる新撰組では、近藤勇が局長で土方歳三は副長。そして沖田総司は隊長だから、土方歳三の部下のハズなんだけど…
ココの沖田もどきは、態度がデカい。
『ちょっと、話が進まないでしょ!さっき私が言ったことの他に、聞きたいことないの?ないなら帰るから!』
「…あー、お前って、性格良い?」
『……帰る』
絶対何かの間違いだ。
こんな奴らが警察な訳ない!
そう、これは夢よ、夢だわ!!
それに、もしかしたらその辺ウロウロしてれば知ってる道に出るかもしれないし…。
そうと決まればこんな所に長居する理由はないわ!
『じゃ、そゆことで!』
「え、あ、待て!!!」
後ろで何か叫んでても気にしない!結構足は速い方なのよ、私。
振り向きもせず、一目散に屯所から飛び出した。
2nd.嫁入り前の娘だし