24.戦場の花と散る
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トシくんに叩かれた頬を冷やすために、氷をもらいに食堂へ行った。
「自分の命を大切に出来ねェ奴は、戦場に来る資格がねェんだよ」
あの時、とても険しい顔をしていたトシくんが一瞬だけ…切なそうな表情をしたような気がした。
『何なんだろ…』
今夜、私だけ任務を与えられなかった。最初は「女だから」って理由かと思ったけれど、そうじゃなくて気持ちに問題があるらしい。
でもやっぱり、トシくんは私を女扱いしていると思うときもある。市中見廻りはみんなと一緒のシフトに入れてもらっているけど、御用改めで突入するときに限って書類整理だのなんだの…私には事務処理の仕事が入っているのだ。あれは絶対にトシくんの差し金だよ…。
『やっぱ、まだまだ精神的に弱いのかなあ…』
ぶつぶつ文句を言いながら廊下を歩いていると、向こうからザキくんがやって来た。
「あ、妃咲、ちゃん…」
『ザキくん、どーしたの?』
ザキくんは私を見て、何かこう戸惑ってるみたいな顔をしていた。ザキくんの表情に心当たりのない私が普通に返事をすると、ホッと胸を撫で下ろしていた。
「何でもないよ!その頬どうしたの?」
『ああ、ちょっとヘマして…鬼の副長に怒られちゃったの!』
「そう、なんだ……」
エヘヘ、と笑って見せるとザキくんに苦笑いをされた。その顔も何故か切なそうで、でもその原因が分からない私にはどうすることも出来なかった。けれど、何となく…トシくんとザキくんの頭にあるのは、同じ理由であるような気がした。
ザキくんと別れて食堂に向かい、氷を調達して頬に当てた。ジンジンしていた痛みも、しばらくすると徐々に和らいでいった。けど…
『…痛っ……!』
何だろう、みんなでお祭りに行った頃から…たまに頭が割れるように痛む。そして痛みが収まると、よく分からないけれど…何か大切なことを忘れてるような、寂しい気持ちになってしまうのだった。
24th.戦場の花と散る、