14.人気者はツラいよ
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昨日の夜トシくんに、毎晩素振りしてたのがバレた。その上、傷が良くなるまで素振り禁止だって……仕方なく薬を塗って手に包帯を巻いた。もちろん傷口が乾いてからね。包帯に手がくっついちゃったら最悪だから。うわ、想像しただけでも痛い…。
拝借した救急箱を元の位置に戻しに行った帰りにザキくんに出会った。
「あ、妃咲ちゃん!ちょうどよかっ……ってエェエ!?どうしたのその手!!」
『あ、これはちょっと…』
ザキくんの視線は私の手に痛々しく巻かれた(ちょっと大袈裟だったかな…)包帯に釘付けだ。
大丈夫だから、と言ってザキくんの用事を尋ねる。
「あぁ、これ!たくさん手紙届いてるよ~。ファンレターじゃない?」
『まさか!持ってきてくれてありがとね~』
ザキくんから10通ほどの手紙の束を受け取って自室に戻る。でもよく見てみたらこの手紙はおかしいところがあった。
『アレ?何で全部同じ封筒?それに字も似てるような………っ!?』
何だろうと思って丁寧に封を切り中を見ると、書かれていた内容は目を覆いたくなるようなものだった。
何だコレは…思わず捨てたくなったけど、そんなことしたら絶対隊士か女中さんに見つかってしまって大騒ぎだ。とりあえず冷静になって便箋を封筒の中に戻した時、ちょうどトシくんがやってきた。
「妃咲、いるか?」
『っ!…いますよー…』
「なにビビってんだよ…今日の午後から俺と市中見廻りな。午前中は自由」
『は、は~い…』
私の態度にトシくんは疑問を持ったようだけど、何もつっこまずに去っていった。
『…確か銀さんは万事屋さんで、頼めば何でもしてくれるんだよね……』
財布とさっき受け取った手紙を引っ付かんで屯所を飛び出した。目指すは万事屋!
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