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小咄

6月7日

2019/06/07 16:03
どたどたどたどたっ!

襖すぱーんっ


粋「兄貴いいいい!!!」

白「五月蠅い。」むう


シロ「ん?どうした 勾陣の姿久びさだな。
何かあったのか?」




粋「元に戻んねえ。」

白「」







蒼月「ーーーーーーんじゃ、状況を整理しよう。」




小太郎「ドロンっとなったのは なんでだ?」

粋「えーと。
挿音に頼まれて スダレ用のヒモ倉庫から出してたんだけど」

シロ「ふむ?」

粋「うっかり上の方に詰んでたもん崩しちまって」

小太郎「上のから順番にとらないからだぞ?」


粋「で、この見るからにたっっっかそうな この鏡真っ二つになってるの見つけちゃって」顔面蒼白っ

白「いちいちそんなので変化するな。」



粋「いやいやいや!コレ絶対魄哉のコレクションか何かだろ!
年代もんだし!装飾細かいしっ
絶対弁償できねえどうしよっ」頭かかえっ

蒼月「素直に謝りゃ許してくれるけどね。」

粋「いやその、 解っててもなんか怖いような」びくびく

シロ「餓鬼か おのれは。」




粋「鏡もやべえけど、戻らねえのどうしよう。
兄貴 どうしたら戻るか解らねえ?」おろおろ

白「前も言ったけど俺は化けたりしないからな。
わからない。」きっぱり



シロ「ふむ。
たまに髪黒くしておるだろう
あれはどうやっておるのだ?」

白「お前は歩く時 いちいち手や足の動き気にするのか?」首かしげ
シロ「Σう そういう感覚なのか」


小太郎「粋もいつもは歩く感覚で化けてるのか?」
粋「んー。歩くってか 深く考えた事ねえからなあ」悩。


蒼月「化けるって言ったらジジイだけど、今江戸城だしなあ」
シロ「そういえば 鳳凰体とかあったな」
小太郎「でかすぎて周りが迷惑だからレアだけどなー」




粋「朱塗りの隈取り 紋様ありのヤマアラシみたいな頭で江戸城入れっかな」うーん。

白「祓い師軍団と全面戦争になるからやめろ。」




蒼月「それやったら 妖怪と人間の間の溝がとんでもない事になるね」うん。

粋「だああ!どうしよっ
これめちゃ髪うぜえ!暑苦しいっ!!」うがあっ

シロ「結べば善かろうが。」
粋「Σあ。」

白「ばかたれ。」





彬羽「そういう事なら お前ら爺さんに聞いたらどうだ?」

小太郎「知恵袋呼んできたぞー」



白「知恵袋 めちゃめちゃ不快そうな顔してるな」
彬羽「爺さん呼ぶのは勝手だが 俺は居ないと言え!いいな!!」くわっ!

シロ「毎度毎度おもちゃにされておるからなあ」


粋「そうか なるほど爺も人に化けてんだもな!!
よし 兄貴っ」

白「ん?」


粋「爺って どこに居るんだっけ?」

白「さあ?」

シロ「Σそれでいいのか!孫共!!」



白「いっつも呼ばないでも来るしな」

粋「比較的近くぶらついてる時は 兄貴に知らせ行くんだけどなー」


小太郎「爺孫揃って適当なんだな。」

千様「てか、おじいちゃん どこに住んでるのかしら?」

シロ「Σさらっと何か生えた!!」


千様「大丈夫よ。粋君
元に戻れなくても お姉さんが可愛い髪型にしてあげるわっ!」びしっ

粋「うわ、早く戻らねえと」

彬羽「つまりはお前も兄貴と一緒で 髪切っても切っても元の長さに戻るのか」
粋「勾陣の時だけな。 うわ マジでどうしよ」




白「ん?ちょっとまて」ぴく。

シロ「む?」

白「千様 手鏡持ってるか?」
千様「ん?あるわよ 何に使うの」

白「ちょっと貸せ

えー。緊急 鏡子いるかー?」

鏡子「お呼びで?」



蒼月「Σまさかの出張!?」



シロ「ちょっと待て!
お前が憑いておるのはあの大鏡だろうが!!」

鏡子「長年お化けやってると器用になるんです。

半径500メートル以内の鏡なら移動できますよ」

小太郎「微妙に狭いな。」

鏡子「さて、何の御用でしょうか?」


白「えーとな。

こいつ知ってるか?」まっぷたつの鏡。


鏡子「Σヤバイですっ!!何があったんですかあああ!!」ひいいっ

シロ「あ。知っておるのだな」



鏡子「知ってると言うかっ
鏡界隈じゃ有名ですよ!」

彬羽(鏡界隈て何だ。)


鏡子「その昔 鏡というのは呪術に用いられ
魔力を持つものとして特別に扱われていたんです。

私が鏡に憑いているのも 鏡に魔力がある証拠です」

千様「ふむふむ。 で、この鏡はなんなの?」



鏡子「模様から察するに 映した魔を閉じ込める
魔封じの道具ですね。
ゴリッゴリの対魔用です。」

一同「確実にコレだろ。」




粋「えーと。 コレうっかり割っちまってから元に戻れねえんだけど」

鏡子「あら 粋さんでしたか。

おそらく 魔封じの特性から映した対象、つまりちらっとでも粋さんが移ったんですね
その魔力を吸ったものの 割れたので
粋さんの一部が鏡の中に封じられてしまった感じでしょうか」


彬羽「なるほど。」ふむ


粋「割れた鏡なんて直しようがねえし うわ、ヤバイんじゃこれ」汗ダラダラ





白「いけるか?鏡子」


鏡子「お任せください
500メートル以内ですから。」キリッ


シロ「Σ範囲は狭いがハイスペック!!」おおおっ!!









間。






魄哉「で、鏡子ちゃんのおかけで戻れたと。」ほう

粋「つー事で 割ってごめん。」土下座

魄哉「いえ、僕もどこにしまってたか忘れてましたので
てかそんな目に遭わせてすみませんでしたねえ。」

白「鏡子にしっかり礼言っとけよ」


小太郎「台風の日のししおどしみたいに頭下げまくってたぞ」
蒼月「すっごい速さだったんだね」うんうん。




魄哉「あの 鏡子さん?」

鏡子(大鏡)「はい?」

魄哉「僕の記憶が確かなら
あの割れた鏡って 古代の悪鬼や怨霊が中にひしめき合ってたはずなんですが」

鏡子「長年九十九神してる私が 簡単に封じられるような方々に負けるとお思いですか?」くすっ

魄哉「意外とお強いんですね。」ひきつり笑いっ









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