このサイトは1ヶ月 (30日) 以上ログインされていません。 サイト管理者の方はこちらからログインすると、この広告を消すことができます。

小咄

5月26日

2019/05/26 15:39
<割烹 春一>


粋「俺 役者向いてねえかも」どよーん。

庵「うん、まあ遅かれ早かれ言うだろうなとは思ってた」



朱禅「つか あいつ客じゃなく庵に愚痴りにきてんのかよ」
彬羽「察してやれ 他に愚痴れる相手がいねえんだ」




庵「まあその、向き不向きは有るもんだろうし
あくまで試しにやってみたら?って話だったんだし

ねえ?」

ひな「こちらに同意を求められましても。」
朱禅「内容が内容だけに下手に答えれねえわな。」うんうん



粋「何より 始め反対してた兄貴があれやこれや教えてくれてるだけに 色々言い出しにくいっつーか」しどろもどろ


ひな「つまりはお兄さんが怖くて煮詰まってるんですね」


彬羽「だ、そうだ。」

白「ほうほう。」



朱禅「Σこのタイミングで呼ぶなよ!!」

彬羽「本人同士で話さないとらちがあかねえだろ。」

庵「間違ってないけど なんて大雑把な」


白「いきなり伝書カラスが来て何かと思ったぞ」むう。



ひな「こら。逃げるんじゃありません」

粋「Σうわああ!見逃してええ!!」びくううっ





白「だいたいの話は解った。
つまりは
あんだけやる気満々だったのに もう音を上げたって事か。」


粋「Σう」


ひな「冷静に。 話し合いましょうねー」



白「て、言うと

お前 自分には全く才能がないと思っ
粋「うん。」即答。




庵「Σ回答はやっ!!」
朱禅「相当心折れてたんだな」うーん。


白「・・ えっと。」

ひな「あ、予想以上の反応に困惑してますね」




白「彬羽 パス。」

彬羽「この流れからどう何を話せってんだ。」




白「お前のがこういうの得意だろ」
彬羽「話をどこに持っていきたいのか解らねえ事にはどうにもならねえ」

粋「えーと。 マジでなんかごめん」



彬羽「まあその。
さっき庵も言いかけてたが、無理だと思うなら無理に続ける必要もないんじゃないか?


Σ っておい。文句のありそうな顔するな」

白「そっちの説得じゃない。」
彬羽「Σなら手前で話せ!!」イラッ


ひな「?

あら 今の流れだと やっぱり白さんは 粋さんに続けてほしいんですか?」

白「物凄く答えにくいな」ふん。

朱禅「めんどくさい兄貴だなあ」


庵「ん? 流れ的にひょっとして
ひょっとしてだけど

粋って才能あると思われてるの?」


白「まあ。そこそこ」

粋「Σマジでええええ!?」



彬羽「お前な。 それならそうと言えば問題ねえんだ」
白「そういうもんか。」ふむ

ひな「白さんは国語を少し勉強した方がいいかもしれませんよ?」



粋「え?え?だって 毎日 ここが甘い!あれが甘い!
どこそこがなってない!って」

白「そんなの稽古なら当たり前だろ」
粋「Σええええ!?」


庵「なるほど 見るからに今まで稽古事したこと無さそうだし」※武家の出。
彬羽「ダメ出しを 単なる否定と受け取ったか」※習い事ごっちゃり坊っちゃん育ち


ひな「稽古の終わりに ここは良かったの一言を入れるといいかもしれませんね。」
白「難しいな」むう。

朱禅「ま、良かったんじゃねえの?

良かったな。
素質あるって まあこんなんだけど天才が認めてくれてんじゃねえか」

粋「いよっしゃあ!!」ガッツポーズ



庵「で、 どんな役してるの?」



粋「いまやだ、裏方と雑用と基本の稽古。」

庵「折れるの早すぎ。」




ひな「これから何回うちの店で泣くんでしょうねえ」苦笑。

朱禅「もういいけどよ。青春だよなあ」しみじみ
彬羽「いいのか?」






白「まあ これからめちゃめちゃ迷惑かけるだろし」

そそっと袖の下っ

ひな「お任せくださいっ」きりっ

庵「お兄ちゃん。何気に大変だ」

彬羽(こういうの何処で覚えてくるんだ。)

コメント

コメントを受け付けていません。