小咄
4月15日
2019/04/15 14:05<割烹 春一>
庵「おはようございまーす」
ひな「あら?今起きたんですか?」
庵「いやいや、時間に関わらず出勤したらおはようだって あれ?違うの?」
ひな「そんな事特に決まってないはず
あ。」
彬羽「はしゃぐな店主。」
朱禅「だってお前やらねえじゃねえかよ!」
彬羽「業務に必要ないルールは守る必要などない。むしろ無駄に堅苦しいのは従業員に悪影響だ」きっぱり
朱禅「くっ 全く反論できない」
ひな「どっちがバイトなのやら。」
庵「えーと。 んじゃ出勤したら こんちはーとかでいいの?」
ひな「それで充分ですよ
彬羽さんなんて おう。としか言いませんし」
朱禅(それはそれで緩すぎやしねえかなあ。)
焔「アットホームな職場って奴か 嬢ちゃんこの店で良かったな」
庵「あれ? 珍しい人が。」
ひな「御孫さん達に遊んで貰おうとしたら 二人とも留守だったそうで。」
庵「あー。時間的に芝居小屋とバイトだ」納得。
焔「て、事であいつら仕事帰りにここ寄るだろうし待たせて貰うぞ。」ふんぞりっ
朱禅「あのー。丸一日待ちぶせする気っすか? 「当然。」
ひな「彬羽さん。相手は御客様です
眉間の皺をどうにかして下さい」
彬羽「生まれつきだ。」
庵「いやいやいや。いつもより多いって」
焔「・・・暇だな。」ふう。
ひな「5分で限界ですか。」
焔「おーい。お前なんか芸出来ねえのか?」
彬羽「Σなんで俺だ!!」バキッ
朱禅「Σぎゃああ!まな板折るな!!」
ひな「彬羽さんが嫌がる理由よくわかりました。」納得。
焔「年寄りは我が儘なもんだ」どやあ
庵「えーっと。とりあえず奥で前掛け着けてくる
髪も結わないと」そそくさっ
焔「お? ちょっと待て待て」
庵「はい?」
焔「嬢ちゃん うちの嫁と同じ髪形じゃねえか。
うわ。懐かしい」
庵「Σ!?」びくっ
ひな「無いとは思いますが 従業員に手を出したら然るべき所に通報させて頂きますよ」
朱禅「然るべき所どこだ?」
彬羽「立場的に 孫の所 か? 」うーん。
庵「なんか知らないけど無理ー!」ダッシュ
焔「いや。手出さねえって
亡き嫁にしか興味ねえから。
つか無理って さすがに傷付くんだけどな。」
ひな「愛妻家で助かりました 」ほっ
焔「姉ちゃん 今、盆で殴ろうとしてただろ」
がららっ
白「たのもー。 メニュー適当に
って あれ?」
ひな「で、奥さんってどんな人だったんですか?」
焔「めっぽう気が強くてなー。けどそこがたまらん奴で
芯が強くて我が強くて気位高いわ腕は立つわ 物騒なかぐや姫って所か
あれ以上のなんざそうそう居ねえっての」のろけっ
和気藹藹。
白「・・・」
彬羽「無言で説明を求めるな」
庵「寂しいお爺ちゃんと 人のコイバナ好きなひなちゃんとが見事に意気投合して。」
白「だいたい解った
で、なんでお前はそんな頭ギチギチにしてるんだ。」
庵「念のため。 」髪が落ちないようにギッチリ髪止めだらけ
白「ハゲるぞ。」きっぱり。
庵「Σ!!」
ひな「へー。それは素敵な方だったんでしょうねえ
会ってみたかったです」
焔「おうよ。子や孫が野郎しか居ないのが残念だな。
あいつに似た孫娘とか居たら さぞかし美人に育っただろうに勿体ねえ
強いて言うなら そいつが一番似てっかな?」
ひな「へえ。」ちらっ
白「ん?」
間。
粋「ちいーっす! 腹へった何かオススメあ
Σ 何事!?」
ひな「こら逃げないで下さい!!すぐ済みますから!
焔さん!奥様は 普段の庵さんみたいな部分お団子ですね?」髪の毛ひっつかみ。
白「絶対嫌だ。」机にしがみつき
焔「別にいいだろ お前役者だろが
女形くらい仕事と思えよ。」しれっ
白「ぜっっったいに 嫌だ。」
粋「えーと。これは」
庵「もっぺん髪切ろうかな」ふっ
粋「へ?」
朱禅「あの。ひな
仮にもお客を怯えさせるのはちょっと」
ひな「実は 白さん髪長いから前々からいじってみたくて」きらーん。
朱禅「あ。こりゃダメだ。」
焔「馬鹿め。じいちゃんを避けるからだ」くっくっく
粋「Σなんか知らねえけど 仕掛けたなジジイ!!」