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小咄

5月15日

2019/05/14 17:34
魄哉「これは 由々しき事態っ」くわっ


シロ「ん?なんだなんだ。何事だ!?」



白「一言で言うと 罠にかかった鶴を助けた」

千様「あ。ヤバイわこれは。」



家康「えー。何々? 鶴が機織りにでも来るって言うの?
人に化けて恩返しとかそんなの本当にあるわけ・・」


魄哉「このメンツにそれ言いますか?」※鳳凰

蒼月「つーか。ヤバイのは 恩返しじゃないよね?」※蛇

彬羽「昔話のセオリー通りなら これは」※カラス




千様「Σいっやあああ!白君がお婿にされちゃううう!!アタシ認めない認めない!!」

白「Σもがっ」
粋「Σ姉ちゃん!兄貴が窒息する窒息する!!!」


蒼月「窒息するようなハグ いいなー。」
魄哉「なら代わってあげて下さい」



小太郎「あのさ。恩返しにくるんなら ありがとう別にいいよって言って帰って貰ったらどうだ?」

魄哉「それで納得してくれればいいのですが」うーん。

小太郎「?」

魄哉「まあその。もし今夜こなかったらいたって普通のただの鶴だったという事ですし
少し様子を見ますか」





ーーーーーーー



<その日の夜>




鶴「ごめんくださいましー。」トントン。

一同「Σほんとに来た!!」





鶴「あのー。道に迷ってしまい一晩泊めて「うち山の中なんですけどどこに向かおうとしてらしたんですか?」

鶴「えー。えーとえーと」悩。

シロ(不審者として追い返す事にしたか。)ふむ


鶴「実は私身寄りがなく、あてもなくさ迷っておりました所を通りすがり方に助けられまして その方がこちらにおられると聞きました
とっさでしたので言いそびれた御礼の一言でもと」よよよ

蒼月「お。鶴機転がきくね」物陰っ




魄哉「お礼と言うと 傘地蔵さんみたいに家の前に米俵やらなんやら置いてくあんな感じですかね?」

鶴「Σへ? あ いやちょっと そそそそんな御伽噺みたいなっ」


家康「正体バレてるんでお帰りください と遠まわしかつ直球で言ってるね」
千様「てか なんであんなイラいてるのかしら?」


鶴「あの。御本人に会わせて頂けないでしょうか?」
魄哉「構いませんが、その前に ちょっとこちらを持って頂けますか?」

鶴「はい?」

魄哉「もののけの類いが触れるとたちまち正体を表す呪符です。」

鶴「Σうっわあああ!!あぶなあああ!!!」びくっ



魄哉「おや?触れないんですか?」
鶴「おほほほほ。御札なんてなんだか怖くって」

魄哉「では、仕方ありません」じゃらん。

一同「へ?」

千様「数珠?!」

蒼月「Σジジイ何考えてんの相手は女の子だよ!!」



魄哉「メスだろうと関係ありません!!
この人の正体は種族関係なく玉の輿狙いでアタックしまくる セニゲバ押し掛け女房です!!」

鶴「Σちいい!バレてた!!」



魄哉「だいたい殿! 世知辛い鶴の恩返しって江戸城でも思いっきり噂でしょうが!!」

家康「私最近登城してないもん。影武者いるし」しれっ


千様「つまり人間にもめちゃ被害でてるのね」
蒼月「節操の無い鶴だなあ」引。


鶴「いいじゃないの!ドラマチックじゃないの!
だいたい助けられたら恩返しに嫁入りするのがうちの一族のしきたりなんですー!」

魄哉「そのような当事者の気持ちを無視した爛れたしきたり さっさとドブに棄てておしまいなさい。」ふんっ

シロ「ああ。これは 魄哉が一番嫌いな流れだ」
小太郎「潔癖だからなあ」うんうん



千様「てか ちょっと待ちなさいよ」ずいっ

鶴「ん?」


千様「そもそも 助けて貰ったから『結婚してあげる』って何?

アンタ 自分にそれだけの価値があると思ってるのかしら?」ふっ

鶴「Σうっわ この女ムカつく!
アンタこそ何様!?「少なくとも胸のサイズならアンタの数段上よっ」



粋「なんか始まっちまったな」うわあ
挿音「あの女は 本当にアホなのか。」キセルぷこー
家康「もはや何の話か解らないね

てか、魄哉がビシッと決めて正体暴露したのに 千ちゃんの勢いに負けてどうしようか可哀想な事になってんだけど。」



鶴「だいったいねえ!
妖怪世界のいわば総大将が独身で! しかもなんかユルそうに見えたら狙うの当たり前でしょ!! 上手くいけば女帝にもなれるのよっ!!!」くわっ

一同「Σそれが目的!?」


挿音「あー。確かに鶴って腹の方の羽は黒いわ。」
鶴「誰が腹黒よ!!」

千様「真っ黒でしょうが!絶対うちの子は渡さないわよっ!!」きいいっ

小太郎「てかもう正体バレバレなんだから帰れよ!
鶴ってバレたら帰るんだろ!?」

鶴「残念 機織りの姿を見られたら去るものでありバレるのはセーフ!
だから私は機織らないわ!!」おほほほほ


シロ「Σ自由過ぎやせんか!何が何でも結婚する気か!!」






彬羽「・・おい、これお前が出ていって いらねえと言えばいいんじゃないのか?」

白「ん?んー」

彬羽「?」


白「ドン引きしてた。」遠い目。

彬羽「気持ちは解る。」




白「あれ?そういや一二三はどうした」

彬羽「確実に教育に悪い事になるから寝かしつけ済みだ」

家康「おー。さすが」




シロ「おい。それよりアレをどうにかせんか。
魄哉がキレたら俺らも巻き込まれるぞ」

白「んー。ビシッと言うのはいいんだけどな。
ひとつ問題が」

小太郎「問題?」


白「ビシッと断ろうとしたら確実に鶴のメンタル粉っごなの再起不能にすると思う」

小太郎「Σいったい何言う気だ!?」ぎゃいいんっ



粋「兄貴ボキャブラリーがあれだからなあ」
シロ「なるほど。匙加減と言うものが出来んのか

どんだけだ。」

白「けど、場合が場合だし メンタル破壊するしかないか」ふむ

シロ「ま、まあ、あれ相手なら仕方あるまい
向こうも悪いしな」



白「おいこら 鶴」

鶴「はぁい。」 ぶりっ

千様「Σここでぶりっこ!?」


白「あ。」

鶴「?」




白「蒼月、お前 恒温動物の女なら大概いけるって言ってたよな」

蒼月「Σお願い押し付けないで!!」



鶴「地位も金も無さそうだからパス。」

蒼月「Σひっでえな!!」



白「じゃあ、あの辺 本性鳥だけどどうだ?」指差しっ

彬羽「Σこの野郎っ!!」
魄哉「絶対嫌です」ふんっ


鶴「カラスは目付きが悪くて会話が弾まなさそう
黄色いのは あー。ちょっとナヨっち過ぎて無理」

シロ「Σやってる事の割にめちゃめちゃ選り好みするなこいつ!」




魄哉「祓っていいですか?」
家康「はい。どうどう 相手は女の子女の子」

彬羽「・・・」
小太郎「言い返していいんだぞ?」
挿音「間違っちゃいねえからな」


粋「えーと。 兄貴 ほんとどうしようこれ
帰ってくれそうにねえよ」

白「仕方ない




お預け終わり。
よしっ」

九尾「こんの鳥肉がっ
わちのだーりんに手を出そうとは百万年早いわ!!」

ずどん!!


鶴「Σ!?」


家康「一応説明するね。

隣の大陸で暴れてた 金色白面九尾の狐ちゃんだよ
名前くらい聞いたことあるよね?」

鶴「Σえ。ちょっと 本気でアレ?!」ひいいっ





九尾「大概にせんと
その頭を叩き割りバリバリと噛み砕き 肉を引きちぎり腸を引摺り出し ゴリゴリと喰らうぞ三下妖怪が。 」

鶴「」




小太郎「こっわあああ」びくびく

粋「兄貴 すんげーのにモテてるよなあ」




鶴「お、お邪魔しましたー!」ばささっ

九尾「おととい来い!! 」きしゃあああ!!!


家康「おー。お見事」ぱちぱち

九尾「ふっ だーりんの嫁になるのは わちじゃからのう。」

粋「これはこれで問題だよな マジで。」うーん。



蒼月「一件落着かな。

しっかし、あの鶴もリサーチ不足だよねえ」

千様「同じ女としてムカつく鶴だったわー
ほんっと 相手の事もよく知らずに押し掛け女房なんて出来るわよねっ」

蒼月「いやいや。そっちじゃなく」
千様「?

九尾ちゃんの事?」


蒼月「ちがうちがう

この家に嫁になんて来ちゃったら 意地悪な姑にイビり倒されちゃうからやめた方がいいのになー。てね」

魄哉「ほう。誰の事でしょうかね」




蒼月「・・聞こえてた?」
魄哉「声でかいんですよ。」

家康「蒼月 不憫なアホの子だね。」
蒼月「Σお前が言うなよ馬鹿殿!」


魄哉「えい。」ぺたり

蒼月「Σぎゃー!さっきの正体現す御札っ!!」どろんっ

魄哉「これでしばらくナンパも出来ないでしょう。」すたすた

蒼月(蛇)「Σえ!ちょっと!! 戻して戻してっ「意地悪なので嫌です」ふんっ




白「よしよし。おかげで助かった」なでなで。

九尾「うふふふふふ。いい子いい子じゃあ
変な奴はいつでもわちが追っ払ってやるぞいっ」至福っ





粋「なあ。 なんかうちの兄貴が一番腹黒い気がすんだけど、気のせいかな」

彬羽「あいつは何も考えてねえだけだろ。

・・・たぶん。」

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